対数圧縮 

7(対数圧縮)
 目が扱う明るさの範囲は非常に広く(〜何千万倍。参照、3月27日)、123‥→の歩進では、数が大きくなり扱い難く不便です。
 光の強さを「指数表示」←(目盛りの並び方は「対数圧縮」)することで、明暗どんな明るさでも(同じスケールで扱える)ので、広い範囲の明るさの取扱いが容易になります。

 (例えば、フィルム感度の明暗幅が、1:16(4LV)とすると、明るい所で(20〜24LV)、夜景なら(8〜12LV)などのように4LV画像としてどちらも同じフィルムに撮影できる)

※ 対数は指数と逆の関係です。上のグラフで、光が強く(yが大きくなっても)横幅は(右へ)大きくは動かない(圧縮)、光が弱く(yが小さく0に近付いても)(左方に拡大)表示される。
 桁数をまたぐ大きな数を扱うとき、その対数をとれば余り大きくならず表現できて便利です。(参照、3月21日)の計算尺はその応用です。

(錐体)
 外からの光で感光した(フィルム粒子)は沈殿して錐体(水受けのじょうご=漏斗)の底に貯まります(沈殿の深さは対数圧縮されている)。(円錐角錐など錐体では深さと体積の比は3乗になります)

(ウエーバーの法則)
 明るさ・暑さ・痛さなど人の感覚は(元の刺激がn倍になっても感度は正比例しないで)対数比であることを提唱しました。
 このほか、水溶液の濃度とか光の透過率、距離-光強度など‥対数変化は色々あります 

(圧縮画像)
1、対数圧縮というと、入力光(元の明るさ)と出力光(出来上がり写真)が比例しないで、通常はメリハリのないトーンの甘いぼやけた写真を考えます。
2、しかしいま流行のように、コントラストを上げ(過ぎ)ると(白はフッ飛び・暗いは真っ黒け・色はソラリでヒックリ返って)全く使い物になりません。
3、取扱い明暗幅に合わせた(感度範囲の指定)があるのです。出来るだけ広い明暗幅を扱う場合、色や明暗の直線性を考慮しながら最適値が選ばれます
4、ここでは、伝達のためデータ圧縮で取扱い、画像の使用時には(元の明暗や色に)戻せばよい、ので全く困りません。