05、透過と散乱


透過と散乱

☆☆ まづ最初にお断りしておきます ☆☆    
 (旧三原色式の図面の借用)
 これまでの話で、旧三原色は誤りで 実際の色光の帯域は(可視光線範囲の中でナク)(近紫外〜近赤外)領域にまで拡がったモノとのお話をつづけてきました。
 しかし今回の「光と色・補色・フィルター関係の話」では、この広範な「熱擾乱光の分布範囲」を三原色のように見て(置き換えても殆ど支障ナク)説明出来るので・・、旧三原色用の図面なども、そのまま借用して説明をしています。・・色並びの詳細では違う面がアルので(要注意)デス。

 (散乱光)
 物体に光が照射されると、その表面は(光を選別して、一部を返す)ので、私達は、その光を(色や形)として認識しています。 一般的に(表面で光が返された)ように見えるので「反射光)」と呼ばれるコトが多いのですが(上の図でも)、これは誤りで・・、正確に「散乱光」と呼ぶべきです。
 前記の光は一旦物質の表面から中に入り、物質の分子に衝突(進路変更を繰り返して)一部が表面に舞い戻ってきたモノなので、光の強度は大きく下がり、進路はバラバラ・・で散乱光と言います。.

(鏡面反射)
 水面や平滑金属面や結晶面などで、人の顔や姿が写って見えるのが(鏡面反射)で、 物質の表面に光が来たとき、光の(強度はそのまま)進路だけが変わる・・のが反射で、 反射面に垂線を立てると、入射角と反射角度が等しく、他の要素(強度や色)もそのままですが・・、詳しく見ると(反射点で光の位相が反転する)コトに留意して下さい。

(散乱・透過光の旧色彩の図面)
 上図の左側が、(A)散乱光と(B)透過光の図面です。
*、実際の色光範囲を、これまでよりも域外へ大きく広げて考えて下さい
*、下のB図面では(文字では表面反射が書かれてますが)で(反射の残りが溶液に入る)のと違っています
*、C図も、物質の表面での吸収と内部吸収を(同一視して)区別していません。
   また、色別の反射率は、明るさなのか、光強度なのか不明です

(帯域フィルターの特性)
 進行する光にとって、分子構造の並びは、格子状の網目のように見えます。 網目の効果は、光の波長や方向によって異なりますが、一般的には「ある周波数(波長)を境にして、それ以上(または以下)を通過(または抑制)させる」モノがあり、帯域通過(または抑制)フィルターと呼びます。
 両特性を組み合わせて、一定の帯域を(通過または抑制)する型もあります。

(F’層の厚みと光の減衰)
 右側の(第4図)は、水溶液やフィルター層に入った光がどのように減衰するか、を示したモノで、この図の場合、 一枚分の厚み(深さ)で70%になり、2枚で50%・・と減衰しています。 2層で5割減衰しましたが、3割が上へ向かって散乱光になり、2割が吸収されて消滅です。上に向かう光は始めは深さに比例して増えますが、次第に少なくなりますが、これも或る程度の深さまでで、上向き光の積算値は一定の値で落ち着きます。

 水溶液などの場合、上から照射された光は、水中に入って、分子に衝突(エネルギー交換)して、進路を変えられて
*(一部は反転して水面に向かいます。 ←(散乱光として上から見える光デス、グラフ上部は、返り光の強さと積算値)
* 他は更に奥へと進んで・・衝突を繰り返しながら奥へ進む光が透過光です)。←(水の密度は均一なので、透過光は、水面からの深さ(一定の比率)で減少します。(赤色の曲線の下部)
* 進路変更を繰り返す度に(エネルギー)を失って消滅するものもあります、(赤と緑の間)
 * 固体は密度が高いので、深くは潜らず浅くて表面色(散乱光)が決まりますが、液体などでは深くまで潜る(透過光)ので、フィルタ層の厚みで効果が違って来ます。


(F’の波長特性)
 (青い)光ほど周波数が高く屈折率が高いので、水深が浅くても素早く水面に戻りますが、
 (赤い)光ほど周波数が低く屈折率が低いので、水面深くに潜ってから水面に戻ります。
従って、この戻り(散乱)光の特性(波長や強さ)は、物質の屈折率や減衰率によって違います。 ←(特に色特性が顕著になるものを「色料」として使ってきました。)