17、色の不思議
色の不思議
昔、「色は人類の永遠の不思議である」と言った人があるそうです。 確かに色を操作していると、不思議と思う現象に行き当たることがヨクあります。 この辺りもシッカリと考えて・・いい加減にゴマ化さないようにしましょう。
(色の比較)
(標識)の幟や旗は、よく目立つように、色彩度の高い(派手な色)を使いますが、個性を主張しない(地味な色)の布地は、色彩度が低いモノが多くなります。 色の比較をを行う場合、その物に充分な光が当たっていないと(くすんだ色?←漢字がナイ)になって色の比較が難しくなります。
つまり個々の色は、光源の光や周りの色によって大きく変わるので、物体の色構造だけを見ても違う場合があります。
(無色透明が汚い)
背景色が(無色透明)というのに、実際は汚い灰色なので (??)、と思った人が多いでしょうが・・、これは、貴方には手前の空気の(無色透明)が見えず、その向こう側の背景色を見ていたのです。
だから無色は色が見えないのではなく、向こうの背景色がどの程度見えるか?のことで、背景の遠近感や、物の形の輪郭・明瞭度を表すコトになります。
(無色を見よう)
いますぐ、手で目を覆って光が入らないようにして下さい、目前に雑音のよう色んな色の点や模様が見え隠れして定まりません。
実はこれが、光が全く無いときの(無光・無色・透明)なのです。 ←(ハッハッハ!驚いた?カナ)、夢や(ベンハムの独楽)も色材料が無いのに色が見えます、 色素三原色(物質)は諦めましょうネ。
(錯覚や錯視)
他にも、光が無いときは(黒い)ですが、色が無い時は(暗い)が正しいのです。
光が強くなると次第に色が見えだして、更に強くなると白く色が無くなる?など・・、
人の目は、まず物理量で色を測りますが、最終的には、頭脳が行う色判断で(心理量)ということです。
目の判断は(心理的なモノ)なので、色や形に対する記憶や錯覚や錯視など・・もあります。
色の成り立ちを確認しないと、見た目の色感覚と実際の使用では、大きく違う場合があります。
(色操作の独立)
旧色彩は、「三原色の混合配分で色が決まる」コトになっています。だから原色は(他の色成分を持たない)独立した色のハズですが・・、ごく僅かな色操作でも必ず全色(他の色配分)に影響します。
だからこれまでは、ある色の単独操作は夢で、「色の独立操作は存在しない」が色彩界の常識とされていました。
しかし今回の(色彩度)は「他の色味(色相)を変えない、独立した色操作」を、『世界で初めて実現』したものです。
(画面の色操作)
近年色扱いが、デジタル化されて、多くの色操作が(コンピュータ計算になり)容易になりました。
これまでの色操作は、色材料の調整でしたが、これが数値計算に置き換えられたので、計算結果として(実際の色空間範囲を外れた)飛んでもナイ値が出ても、そのまま使用されるケース(誤り)が多くなりました。
(白飛びや色潰れ)
例えば写真の場合、先ほどの色彩度の調整ですが、実際の画面の中の、各画素の色彩度は色々の値なので、これを一律の係数を掛けて色彩度を高くすると、100%を超えた値(白飛び)が発生します。
また色彩度を下げるため一定の値を減算すると、負値(−)が発生し黒潰れになります。
それほど(極端な値で)なくても、色の配分や比率が大きく変わり、元の色とは違った印象になります。
理由のない無節操な色操作は、避けるように・・注意をしましょう。
★★ 色に関して、筆者がこれまで明かしてきた(物理を基本とする色彩工学は)、広い色彩のほんの入り口にしか過ぎません、これからの若い人たちによる開発を期待します。★★