「新色彩学」講座を再開します 

*  「新色彩学」講座を再開します 

 本講座は、筆者の(健康都合、入院治療)により)本年始めより休講していましたが、このほど(通院治療)帰宅になったので、本講座を再開します。
 本講座は、従来からの「旧色彩学(三原色説など)」の誤りを改めて、「新しい色彩学(科学的論理)を提案するものでしたが、その範囲が、余りにも広範に拡がったので、いま少し(体系的な整理をしよう・・)と考えていました。
 ←筆者の健康・体力・寿命から・・どこまで続けられるか?(些か心もとない)面もありますが(精一杯ガンバルので)宜しくお付き合い下さい。

 ≪ 第0章  はじめに ≫
 本講座が(色彩学の解説)を始めてから(早や十数年に?・・)なりますが、とくに 2011年の東北(原発津波災害)以降は、(旧色彩の誤り)を正し、新しい(色彩学の構築)を目指してきました。
 本(HP)講座の、往時のアクセス数は、国内(数百通/日)、外国は(数十の窓口で実数不明)という大盛況でした。(休講中の現在でも(数十/日)が続いて居て(新規の学習者と思います)。
 新色彩の講座は、初学者や若い人には(分かり易くオモシロイと)好評ですが、色彩経験者(とくに専門家)ほど理解デキナイ(← 誤った知識、先入観が邪魔をスル)様子です。
 ←(筆者が、旧三原色の誤りを指摘しても(話が噛合わず)受容れて貰えなかったようです)
 そこで今回は、まずはじめに、旧色彩学が(どのように作られ、今の形になったのか?)を順を追って(皆んなで考える)ことにします。

 ≪ 第1章 三原色、色彩感の発生 ≫
 先日から、少しお話を進めてきたように、私たちの視覚(目の働き)は、生まれつきのモノなので、「色とは何か?」「なぜ色が見えるか?」など、気にすることはナク、(色や物の形)が見える・・」は、ごく自然で当たり前の事柄でした。

(色素感)
「すべての物の(表面には色素が分布していて)、この色素が見えることが色の原因、と考えたので、日常的に「物の形や色を見ることは、=色素を見ること」であり・・、(絵画など)の色の操作も(=色素操作)と考えるので・・、私たちの身の周りや日常生活のすべてが(色素を扱う(色素感)として(身に沁み付いて)行ったのです。

(三原色光と色素感)
 大昔からの(色素感)は、(色素=色料の粉末)が色を見せる(発光する?)と思ってきましたが、(近世以降)三原色光が色の原因とされることになり、(色素論)は(表面的には消えましたが、私達の(心の中での色素感)は依然として残ったままです。

(三原色々光)
 すべての色彩書が、まづ最初に(ニュートンの分光実験)を揚げて、可視光線範囲が三原色帯域に分割され、この三原色光の混合配分ですべての色が出来る・・との説明です。
 ニュートンは、「光りに色は着いてイナイ、光が三色に見えるのは別の原因がある・・」としましたが、後世の人達は、この警告を聞かず、架空の「三原色帯域論」をデッチ挙げたのです。
 当初は、光の色と波長が対応すると見て、単一波長の原色光(赤や緑色など)探しが行われましたが(特定波長の単一光や三原色光は存在せず・・)、(三原色光)として(緩やかな帯域を指定した)だけになりました。
 太陽光の分布帯域は(別に詳しく説明しますが)、可視光線範囲(の3分割帯域どころか、可視光全域よりも遥かに広く、可視光全域でもその分布傾斜のごく一部が見える程度です)
 だから「三原色の色光帯域なんて、実際には存在しないし」、これを取り出し合成する・・は、(科学無視の(夢想・虚構)に過ぎないのです)。これを知ってて実しやかに言う人は大ウソツキです。 ←(当初は1図のような3分割帯域を考えたが近年の研究で3錐体の感度は(2図のように重なる)結果になりました。

(三原色色環)
 「二色の混合配分で中間色が出来るから、これを並べて色相環が作れる」とする話ですが・・、これは、「光の(加法混色)・それとも色の(減法混色)の話でしょうか?
 光(色)の話とすれば、混色するほど明るく(暗く)、白く(黒く)変色し・・、中間の色にはならない筈です。
 また、中間混色と言うなら、二色の中間は直線状になるので、三原色なら三角形になる筈で、円環状にはなりません。

(加減法混色・補色)
 光物理と心理色彩派の抗争は、(光の加法混色)に対抗した(色の減法混色)を産み、補色や色の三原色(空茜黄)などを・・、新しい色の仲間(ルール)だとして強引に押し込んだのが、現在の色体系の混乱の源になっています。 

(六色色相環
 学校で習う、三色円板は、光の色(赤緑青)と色材の色(空茜黄)の2枚があります。両者の色明度は異なりますが、これをムリに重ねて(6色色相環と称して)の現行の色配置(双円錐や球形など)が出来るとしています。 ←(6色円板が不成立です)

(立体色相環
 これまでは、(白黒と明暗を混同)して(無彩色だ)として色扱いを外しましたが、全色表示とするために、円板中心に白黒軸を立て、現在の(双円錐や球形の)立体型の色相環が作られました。

 以上大雑把に、心理派が主張する「三原色説の変遷」を見てきましたが、いづれも経験に基づき(色素を物質的なモノと見る)=(色素感)基づくもので、科学的な論理は全くありません。