シフトRGB方式


 (シフトRGB)

昨日の話は理解して戴けたでしょうか?・・、色の配置などを考えるに当たって、グラフや座標操作などをシッカリと学んで、間違えないようにして下さい。

(2次元と3次元)
 これまで皆さんが扱ったグラフは、写真や画像・図表など平面のモノが多かったでしょうが、色の配置は(立体的)と考えらるので、・・、
 これから 私達の生活に最もなじみ深い「直交3軸型の3次元座標」について・・お話をします。

 (3次元の世界)
 *、電車や汽車はレールの上を走るもので、駅の順序や線路を横切る川がアルなどの前後関係など・・、線(1次元)状に並んだこと以外は知りません。
 *、自動車は(平原の場合)前後左右どの位置へも自由に選んで移動することが出来るので、(2次元)的な乗り物とされます。
 *、飛行機やヘリは、空中を(前後・左右・上下)の(3次元)空間を自由に移動できる。乗り物です。

 (直交3軸座標)
 上位の次元は、下の次元の集まりなので、総てを含んでいますが、下から上の次元を視ようとしても(上の影をかい間見る程度で)殆ど分かりません。
 直交3軸座標の場合、X・Y軸は直交なので、Y軸の値がどのように変化しても、X軸に落とす影は変わりません。(夫々の軸値は、他軸からの影響を受けず(独立)で任意の値を採ることが出来ます)

 ← 昨日の話は、この直交3軸座標の色空間で(立体座標の移動を間違えた)話しだったのです。 

 (座標位置の移動)
 いま、目の前の紙に「田」の字を描いて下さい。 この中央をRGB座標の基点(0.0.0)として、目印に消しゴムを置きましょう。
 このケシゴム R(0.0.0)を動かすために
 R(1)を加えると、座標は{R(1)G(0)B(0)}と1目盛幅だけ高くなります。 同様に
 G(1)を加えると、座標は{R(0)G(1)B(0)}と1目盛G向きに移動します。 同様に
 B(1)を加えると、座標は{R(0)G(0)B(1)}と1目盛B向きに移動します。 
 つまり、ある点がR方向に動くとき(Rの値が動いて他は変わらない)ように見えますが、実は、R(1)とG(0)B(0)の3つの加算が行われたのです。
 また、R(1)点が横に移動するとき、Rの高さは変わず他の値が動いたように見えますが、実は、Rは(0)でG(?)B(?)の3つの加算が行われたのです。

 ← RGB座標では、1つの点(位置)は(RGB3つの値を1組)で表し(決まり)ます。 だから位置の計算では(3つが組んで初めて位置になるので)組は分けずに(必ず同時に計算)すべきなのです。 ←(審査官はこれを知らないで?、サボッタ)のです。

 (シフト移動)
 だから、RGB立体全体が移動するためには、グラフ内の座標すべてに、一定の値【R(−0.5)・G(−0.5)・B(−0.5)】を加算しなければ、全体移動(シフト)にはならないのです、

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 (シフトRGB)
 標記の「シフトRGB」は耳慣れない言葉ですが、今回の審判で議論になった(RGBを移動した)仮想立体を(勝手に呼んだ)もので、一般的なモノではありません。が、この立体が考えられ「コトの経緯」を簡単に説明します。

 *、現在のTV放送では、放送用の元画像を3色に分解して(原理的には)3色を別々に扱う(RGBカラー)伝送方式で、放送を行っています。
 *、従って、視聴者(TV受像機)の側では、このRGB方式の手順を逆に追って(信号を色画像に戻す(手順)を準備をして)、放送される信号を待ち受けているのです。
 * 従って放送(通信)では、一旦定めた手順を、途中で止めたり変更することは、絶対に許されないのです。
 *、TVは、はじめ白黒放送だったので、放送設備の情報伝送量が少なく(カラーはRGB3枚分の画像)放送は出来ないことになります。
 * そこで、TV放送信号の情報伝送量を圧縮減少させる(YUV)方式が考えられました。
 ← しかし、単なる圧縮は(RGB方式の変更)なのでTVが見えなくなります。 そこで(TV画質は悪くなるが)・・何とか絵が見える所まで圧縮度を減らす・・、という妥協策が採用されたのです。
 *、このとき、、再生用の信号の取出し範囲を(元のRGB方式ではなく)座標基点を少しずらせた(シフトRGB方式の範囲に)変更した方が、音や絵がキレイだった、ということです。
 ※、従って、シフトは、色立方体範囲の(全体の移動)処理のことなので(理論的にはグラフ座標の読取り値が変わっただけで、実際のRGBの色配置や方式はそのまま残っているので、従来どうりTVが見える。のですが ←(A図を移動するとC図のようになります。)
 審査官は、【図16A】のRGB立体の3軸だけを移動して、16b図に変換されたから(色が放射状になった?)から、(RGB方式を変換したB図)は(YKカラーと同じだ?・・)と訳の分らぬコトを言っているのです。