反射光と透過光 

(反射光と透過光)  先日の「屈折の原理 」は、{屈折率の違う物質(水と空気な)の境(界面)へ光が進行するとき、光の進路が変更(屈折や反射)される}と言う話でしたが・・、
 これまでの(色原因の説明)は、夫々の物質の屈折率が異なり、光の散乱状況が違うので(表面色の違い)になる・・と説明してきました。

 (屈折と反射)
 第1図は、光の屈折の基本図でした。 いま空気中から水面に光が入射している所とします。
 水面で図のように光が屈折する、と説明されますが、実際の光りでは(波長で屈折率が異なるので)、波長別で進路が異なり(スペクトル)が見られます。
 ここでいま、屈折しなかった光が上へ反射したと考えると「反射光は(入射角に対する進路変更だけ)で、量や角度が変化しない(常に一定)とするのは、聊か疑問(?)です。
 →(水の場合、下に向かった散乱が屈折で、散乱で上に向かったものが従来の反射だとして、鏡面反射は別に考えます)

 (物質表面の凹凸による散乱)
 物体の表面の形は決まらず、大抵は凸凹して(水面のように平たんではナイ)います。 入射角度軸に対して実際の表面が少し傾くと、反射光の進路は2倍ズレてきます。 だから表面凹凸による反射散乱は、水面より下の全角度に向けて起こります。
 物質の表面を見た場合、この反射散乱光と透過散乱光を合わせて見ています。水面などで反射光が多いと水中の魚は見えません)

 (鏡面反射と散乱反射)
 鏡に当たった光は、進路が変わるだけで(光の強さや波長・色など)殆ど何も変わらないと、思っている人が多いのですが・・、実は鏡面で光の位相が反転するので・・(鏡の向こうの貴方は、左右ギッチョくんですネ(余分な話でした?)。
 上記の表面色は、物体内部での「透過・散乱光」と呼ぶのが正しく、反射・散乱光とでは(誤り易い)ので注意しましょう。 ←「透過散乱光と鏡面反射光(正反射)を正しく使い分けましょう

 (表面反射は誤り)
 多くの色彩書で、(物体表面で反射した色・・)と説明しますが、これが誤りの元になります。
  (鏡面)反射光は、入射光の一部が(特定の角度に反射)した光で、その方向以外は見えません
 ←(以前に少し触れましたが、人の目は、散乱光を見るように出来て居て・・、光源からの直接光は旨く見えないのです。

 (物体表面は透過色)
 従って、物体表面の色は、一旦物質の内部に侵入した光りが(次々と分子と衝突・屈折を繰り返した結果)光の進路が変更(散乱)されて、物質の表面色になったのです・・
 一般の色彩書では、透過光は(ステンドグラスなど ※)特別な光だと説明しますが・・、ここでは(空気や水、一般物質の表面色までも「透過・散乱による」と、扱っているので注意して下さい。

※ (ステンドグラス)
 透過光がキレイに見える例として、教会の「ステンドグラス」や「ウイスキー(液体溶液)などが出されます。 しかし教会の中は暗く、透過光が色の主役でキレイですが、外から教会のガラスを眺めても 周辺の光が強く(反射散乱光が多く)今一つパッとしません。

 (透過光とフィルター)
 またこれまでは、色料(絵の具など)は、色を付加するモノと考えていましたが、新色彩では、色料は当該色以外を吸収・減衰させる(フィルター)と見ます。 だから色料は、色を塗る(加算する)のではナク、当該色以外を減衰させる材料として働くモノで、従来とは大きく違います。

(減法混色)
 (絵の具など)色材料は、フィルター層に相当します。 フィルターは当該色以外を(減衰吸収する)ものなので、フィルターを重ねると(減衰度の加算で)色光は減衰して弱くなります。
 絵の具などで、色を混合(重ね塗り)すると、だんだん暗く(減色)します。 これを「減法混色」と間違えたもので、色の混合(変化)で暗くなった、のではありません。

 (補色の原理説明)
 右から2番目、カラーフィルターの実験として、セロファンンを重ねたものです。
 はじめ(下地)は白紙の上に、①透明、②黄色ノセロファンを重ね、さらに ③青色、④赤色、⑤緑色のセロファンを重ねたものです。
 右端は、三原色と補色の組み合わせと、フィルター重ねの原理です。(中心は暗いので黒くク感じたもので、灰色が正しいのです)