物体の色


一般物体の色
 これまで、色を持たない空気や水の色を見てきましたが、これから(一般物体の色)を見て行きましょう。

(気体・液体・固体)
 *、 気体(空気など)は、空間の広さ(容積)に対して分子の数が少ないので、分子が自由に飛び跳ねて(ブラウン運動)動き回れる状態です。
 *、 液体の分子は、(溜まった状態で)やや窮屈に集中していますが、分子は自由に(入れ替わりや移動)が出来る状態です。 ガラスなどは、外見は固形ですが(中の分子は自由に移動出来るので)液体と同様に(固溶体)と扱います。
 *、一般物質が固体のとき、空間内は分子が一杯で(殆ど隙間がなく詰まり)相互には殆ど動けない状態です。
 *、結晶構造 固体でも、さらに(分子が高密度に)敷き詰めたように並んだ(結晶構造)があります。 宝石(ダイヤや水晶)などは、整列した分子構造を光が通るので、透明で特別の屈折率を持って輝きます。

 (反射)
 反射は先の「屈折原理」で示されていたように、屈折率の異なる境界面で(入射角と同じ角度で水面から跳ね返る光)のことで、(正反射)または(鏡面反射)と呼ばれるモノです。
 多くの人が、反射は光の進行方向が変わるだけ・・(他は全く同じと思っていますが・・)「界面で位相が反転する(鏡では左右が逆になる)ことを知りません。

 (電磁気での反射)
 電磁気学では、位相反転の原理を、上図のように・・
 下方には水平に金属や水など(導電体)が拡がっているとして、 いま左上から(低角度で界面に向かって) 波(または電荷)が進入すると、電磁誘導作用によって、水面下の対称位置に(+−)が逆の電荷が誘導されます。 さらに電荷が左に進んで、反射点に到達すると、侵入光は、誘導光と入れ替わって、反射波になる(このとき位相が変わる)・・と説明されます。

 (散乱光)
 大気や水の屈折で説明したのと同様に、固体の表面に侵入した光も、物質の構造分子に次々に衝突して、何度も進路変更を強制され、進路の屈折・散乱や減衰を受けます。
 固体は分子密度が高いので、衝突の頻度が高くこの(屈折散乱透過)の現象は、表面からごく浅い範囲( ※)で行われるので、表面反射と見間違えたのです。
 ※ 金箔などでは(ミクロン程度の)光の潜りが見えるようです)
 ←(反射の言葉が入ると、間違い易いので・・「散乱」だけにしましょう)

 (表面光)
 物質の表面の光は、一般に上図のように(表面反射光)と呼ばれますが、
 水や空気と同じように、一旦物質表面に入り込んで、屈折散乱を受けた(透過光)だと考えます。
 金属・固形物などは、密度が高くで、光が潜る深さは浅いのですが、水溶液などと同様に波長(色)によって潜る深さが違います。 ←(金沢・春慶塗では、黒の下地の朱色が大切だそうです)

 (色の違い)
 表面色のばあい(浅い表面での散乱透過ですが)、吸収や散乱の究極の状態を見ることになり、物質によって異なる、 (吸収する光)と(表面に返す光)との配分(波長特性)つまり(色)は予め決まっているのです。