水面の色

 


 水面の色
 (水面の色)
 本来、水は透明なモノですが、海面や渓・池の水などでは、空や辺りの景色を溶かし込んだ(透明な青い色)をしています。 ←(水面の反射は、白く明るくキラキラと輝くモノで(空色の映り込み)とは全く違います。

 (水中の屈折と散乱)
 空気層から水面へ光が入ったとき、光の素子(粒)は、水表面の分子に衝突して(屈折原理に従って)進行方向が変えられます。 空気と違って 水の分子密度は高いので、この衝突は次々と繰り返されます。
 この衝突時に、光(素子)は(水分子にエネルギーを奪われて)、その都度進行方向が変えられ、光の進路はメチャメチャに変更(散乱)されるのです。

 (散乱による減衰)
 いま水面を、光を減衰させるフィルター層だと考えます。 第1図の場合(2枚の厚み(深さ)を進む間に、赤い光の50%が、水分子に衝突して(屈折や減衰)を受けるとします。
 フィルター2枚分の深さで(そのまま深くへ進行する)光の残存率は50%なので、(4枚分で残存光は25%、6枚目での残存光は12.5%)になります。 ←(つまり、水中を更に下に進む(残存)光は、フィルター層の厚みに対して一定の比率で減少して行きます

 (散乱光の増加)
 前項で、水分子と衝突した光は、さらに衝突を繰り返して、進路は定まりません、たまたま進路が上方を向いたとき、水面を飛び出す者が居ますが・・
 残りは、さらに水中衝突を繰り返して(遂にはエネルギーを奪われて)消滅します。(この図では、衝突の20%が、減衰消滅としています)。

 (波長別の減衰の違い)
 筆者の新三色論(紫外線から赤外線域まで、従来の図より波長範囲が広い)での、実際の光の分布傾向を見ておいて下さい。
 →(右の図は、左図の上下を反転し、(3色)波長別の(減衰と残存率)を見たもので、
右図は、分子に衝突して散乱する光の総量が(減衰を無視)次第に増えて行く様子を示しています。 
 青い(短波長)光では、殆どが表面付近のごく浅い部分で、屈折・反転して表面に出ますが・・
 赤い(長波長)光は、多くの光が深くまで潜ってから、屈折・反転して表面に出てきます・
 従って水の色は、空や周りの色を写し込んだ色になりますが、大抵の場は、空気や水の層が浅く青色が強く見えています。