波の不思議 

 
 
 光の挙動を知るために、まづ(水や音)の波を学んでほしい・・と言いました。

 (波の不思議)
 池や河口などで少し注意深く観察すれば「波長や波高(振幅)や周期(振動数)の「相互関係(ルール)」が見えてきます。
 岸壁に当たった波は、鏡のように反射されることや、岸壁の角では、陰の部分にも拡がって行く(回折)も観察出来ます。
 色彩教科書に描かれたような、一定波長の単調な波なんて、実際にはナイことを確認して下さいネ。

 (波の重なり)
 波長の異なる波を重ねた場合、周期毎に振幅が大きい所と、打消しで小さい所が出来ます。これは2つの波が重なった(A+B)もので、2つの平均(A+B)/2や混合ではありません。
 昨日の鐘の音の場合、Aが2hzBが3hzとすると、A+Bの音は(唸り音)で「ウォーンウォーン」と5hzの音が1hz(1秒毎に)響きます。←(2.5hzの音にはなりません)

 (船の曳き波)
 上の図は、筆者がマイボートで和歌山港内を走っている様子です(若いネ!昔の写真です)。
 筆者が他船を追い抜いて、前に出た所ですが、どちらの船も曳波を連れていました。 2つの曳波が重なると、2つの波は交差しますが(交点で少し波が高くなっただけで、他の部分の(波の高さや形)は変わらず、そのまま進みます。
 ←(波の保存性)と言って、波はその基本性質(振幅や周期・形など)を変えることはナイのです)。

 (光の加法混色)
「三原色の加法混色」では、「赤と緑の色光が混合して黄色が出来る」コトになっていますが・・
 以上見てきたように、実際に(2つの光が混合)することはありません。
 スペクトルを見ても、赤色の波長域と緑色の波長域は、帯域幅は決まっていて、黄色く混合した色域は存在しません(干渉が見えただけ)。

 (重なるほど波は見えナイ)
 岬の先端の沖や湾型の海の焦点などでは、いろんな波が重なり、急に高い波が発生して危険なことがあります。
 しかし、一般的には、多くの波が集まるほど(相互に重なり合って)波の姿が見えなくなります。
 その最も極端な例が津波です。 津波は(海面全体が一様に持ち上がるだけなので、波は全く見えませんが・・、陸地に到着したとき、隠れていた波が姿を現して大きな被害を起こします。
 光の波も、数多くの波長が重なり合っているので(色彩書に描かれたような)波の姿は全く見えません。 → (光の強度は、振幅を測れないので、光粒の数量を測って波の強さとしています)。