感度出力と移動平均 

 

 移動平均
 レーダーエコーを(円形地図)のように表示出来る、ことが分かりました。 しかし以上は原理の話で、実際には絵の組立(表示方式や同期信号)や地形図との整合、遠近の大幅な感度差の調整、雨雲と地形との判別・・など、色々の調整操作があります。

(近距離の感度差)
 電波の発信元の近くでは(反射電波が強く)海面の波が強く写るので(距離に合わせて)感度を調整して消去します。(船や航空機の近距離の衝突事故は、すべてこの調節失敗です)

 (移動体の発見)
 レーダーは何度も繰り返して、地形図を作っているので、時間差の図面2枚を重ね合わせて差し引きすれば、雨雲の発達や船舶の移動などを調べることが出来ます。
 実際には電波の発射角度(迎角)を変えて高度面の地図を作るので、立体的な解析も出来ます。

 (昼夜の明るさ)
 昼と夜の明るさは、1億倍(27LV)も変化するので、そのままでは表示出来ません。 そこで、人の目も対数表示の(主尺・副尺表示)を使って、大幅な光強度の変化に対応させるのです。
 人が同時に見得る明るさの範囲は(数Lv)程度なので(この範囲を副尺(相対レベル)として)、明るさの全範囲(絶対レベル)を移動することで、精密に広範囲が測れることになります。

(図面)は、光を一定レベルに固定することで→(光の強度レベルと分布傾斜によって色範囲が変わる)様子を見て下さい。

移動平均
風の強さ(風速)や波の高さなど・・は、瞬間の値を見ても(時々刻々と変化して)、波の形や全体的な変化は、良く分りません。 このような場合、一定期間の平均値を求めて並べると全体的な傾向を見ることが出来ます。しかしこの方法では、かなり長期のデータ収集(観測)が終わってからでないと結果が出せません。
 そこで、株価の変動などで、すぐに変化傾向を知りたい・・と、以下のような「移動平均法」が作られました。

(気温の変化傾向)
 まづ、5日単位で平均気温(1〜5日)を求めることしましょう。
1日(1°)、2日(2°)、3日(3°)、4日(4°)、5日(5°)、だったとしましょう。 
5日分の合計が(1+2+3+4+5=15)で、平均気温は(15/5=3度)です。
今度は、6日の気温が6°だったとすると、 2〜6日の平均気温は
5日分の合計が(2+3+4+5+6=20)で、平均気温は(20/5=4度)になります。
これは、1日の(1°)が無くなり、6日の(6°)が増え、(15+(6-1)=20)たと考えます。
 このように、(先頭のデータを捨て、新データを加えた)平均値を求め、この幅を順次ずらせて行くことで、全体的な平均値と、日々の変動の様子を素早くめることが出来ます。

(変化傾向と偏差値)
 つまり、この場合、毎日の気温は、前5日の平均値と、当日の気温は偏差値)として求められるのです。
← 光は大雑把には、連続光に見られますが、詳細には(不連続で単発的な動き)なので(単純な計測はが出来ナイことが多く)、光データの計測・収集には、この方法が多用されるのです。