視力の本命は明暗 

 視力の本命は明暗
 (本命は明暗画像)
 現行の色彩学では、三原色光の話からイキナリ加減法混色で色が作られるコトになっています。 しかし、私達の視覚の一番の目的は、明暗画像による(輪郭・形状の把握)であり、次いで(明暗度の分布=質感)であり、より低照度での判別(高感度化)の方向です。
 色彩感覚は、光量が十分で(前記のデータが得られているとき)余力で(色別の別情報)を送り出そうとしたモノです。

(画素)
 まず軽く両目を瞑って、明るい方向を向いて下さい。 視野全体がモヤモヤとしてよく分かりません。
次に右目を掌で覆って下さい。 視野が(右半分は暗く左半分が明るく)2分割されました。
 人の目は、このように視野範囲を(グラフ用紙のように)細かく分割して、夫々について、光の明るさや色を感じることが出来るのです。 このグラフの桝目一つ一つは、視野範囲の最少単位で(画素)と呼びます。
 画素の総数は(長方形ではないが、大雑把に、縦800*横1200、程度と考え)100万画素程度になります。 ← (テレビ・ビデオは当初30万画素でした。 現在のデジカメはン百万〜2千万画素ですが、明らかにオーバースペックの競争です)

(目の分解能)
 目の視力(分解能)は、ランドル環の切れ目の縦縞の白黒模様を、どの程度細かく見分けられるかを、表したもので、角度1’なら視力(1)、目の良い人で30’程度で視力(2)とされます。
 視力1の場合、横に見る範囲を50°とすると(50°*60分)=3000コの分解能になります。
※ (白黒の分解能の方が画素範囲より精密になりましたが ← 実際の画像解像度は、画素内の(明度や色などの条件)を更に区分して見ることが出来るからです)

(目の順応)
 自動車で走行中に、いきなりトンネルに入ると、一瞬真っ暗になって何も見えませんが、暫くすると(次第に回復して目が見える)ようになります。 これは目が一度に光を計測するのでなく(何回も視野を見直して)光の状態を集積してからの値を見るためで、「短期の明暗順応」と呼ばれます。
 同じような現象は色の判別でも見られ、テレビなどで一瞬に画面が変わっても、見た目の画面はすぐには追い付かないものです、これ「短期の色順応」と呼びます。
 なおこのような光状態の急変でなく、朝昼の明暗差や夕焼けなど、ゆっくりした光の変化の対応も、光・色順応と呼ばれます

(昼の目と夜の目)
 人の目には、暗い夜でも働く高感度の桿体センサー(明暗用の目)と、低感度だが昼間に色を感じる、LMS錐体センサー(色彩用の目)と2種類の目が重なって動作しています。 このため感度グラフが重なって複雑に見えますが、動作を考えるときは必要なグラフを抜き出して考えて下さい