物体表面の色 


  物体表面の色 
 (物体表面の色)
 現代色彩学の混迷(堕落)の原因は・・、色の原因は「三原(色素 ←特定の色光ノミに反応)で その(配分比率)で色が決まる」ので・・、物質表面の色素量が色だ、とキメつけたのです。
 どの書物も、物質表面の(色素)が色を反射して(表面色)になり、内部に入った光は、一部が吸収されて消滅し、残りが物質層を通り抜けた(透過光)、との説明ですが・・ここに大きな間違いがあります。
 (鏡面反射と散乱)
 一般に言う反射は(鏡面反射)のことで・・、物の表面に入射した光りが、そのままの形で進路を変えて(法線に対し等角度)進むモノをいいます。 が実際には
 物質の表面に達した光りは、物質の内部に入ると(物質構造でゴチャゴチャにかき廻されて)進路が変わり、
 * 反転して入射面へ帰り(上へ出て行く)モノ(散乱光で、進路はバラバラで揃っていません)。
 * 内部を彷徨ってエネルギを吸収されて消滅するモノ。
 * 減衰を受けながらも遂に物質の下面から脱出するモノ(透過光)。があります。
 (表面色は散乱透過光)
 だから、物質表面の色は(水面の色が空の色を返したように)外からの光の一部を選別して返したモノ(散乱透過光)です。
 光の透過散乱については〔3月20,24日)に説明しましたが、
 表面からの光りは、フィルター層の厚みを通過するとき(一定比率で)次第に減衰して行きます。
(減衰分の一部は吸収で消滅し、残り部分が上面へ引き返し、この積算が表面色になります) この表面散乱光は 、フィルター層の厚み(※1)で次第に増えますが、屈折率と減衰度の兼ね合いですが・・或る程度で飽和して、一定の比率の光りを返します。
 波長に対する減衰率や屈折率は、物質によって異なるコトが、物質の色の原因です。
 ※1 (水や空気以外の一般物質では、非常に浅く(ミクロン単位)「反射」と間違えられています)。
 (フィルター層の裏表)
 フィルター層の表面側では、物質内部から引き返した光の積算を見るので、或る程度の深さで色が決まってきますが、
 フィルターを通過する光の場合、他の光りは急速に(弱く暗く)なり)、当該色は層の厚みによって次第に色が濃くなりますが光りは弱くなってきます。
 したがって、同じ色〔色相)でも、潜りが浅い表面(散乱)光と、深く潜って染み出すような(透過光)の違い(※2)がありました。
 ※2 ←{恐らく「透明水彩と不透明な油絵(顔料)の違いだろうと思いますが・・}
 (色料はフィルター)
 絵の具など色効果を示す材料は、光りの(遮断や通過などの)帯域特性を与えるもので「波長フィルター」と呼びます。 中でも、特に効果の大きいモノを「色(材)料」と呼んで、きました。
(図面説明)
 左の図面は、フィルター層に光りが進入した場合、深さによって、更に進行し透過する光りや減衰するモノや上へ向かって帰るモノに比率です、
 右の図面は、同じフィルター層(液)でも波長で減衰度が違うので、深さによって色が廻ってくる様子を示しています。