透過光と散乱光 


 (透過光と散乱光)
 色フィルターの話になって、ヤヤコシクなりました。(落着いてユックリネ・・)

 (減衰) ←(第1図)
 フィルターは、光源と目の間に、(絵の具など)半透明な材料で、光りの通路を妨げて、光りの分布(=色を変える)モノでした。
 いま、水平なフィルター層に上から入った光りが下へ進むとして
 *、フィルターを通った後の下に向かう光は、 一定の深さを進む毎に一定の比率で減衰します。(例えば図1で、2枚進む度に半減しています)
 *、屈折・散乱で、進路変更された光りの何割かは、進入方向へ引返し(上向きの進路で)フィルタ層から脱出します。
 *、残りの光りは(物質内を彷徨い)エネルギーを吸収されて消滅します。
 ← どんな光りも、フィルタの通過で(減衰}します。 光りの分布では、常に「減衰することを前提に(特性の変化)を考える」コトになるのです。

 (フィルター色と光の減衰度)
 第2図は、或るフィルター層の減衰の様子を示したモノです。(1枚の厚みで半減を青色で、2枚で半減するのを緑色で、4枚で半減する曲線を赤色で)記しました。
 短波長光は容易に(散乱減衰)するので下の曲線は(青色光)と思われます。 ←中間は緑色光ですが(←無色 ※)。 赤色光は直進性が強く深くまで潜って散乱します。
 0枚目、フィルタ層に入る光は、色特性は平坦な白色項とします。
 1枚目、青色光は半減ですが、他の光りも少しずつ減少して、薄い灰色。
 2枚目、青色光は弱くなり、緑が半減赤が減少で、全体が黄色くレベルが下がります
 3〜4枚目、青色光は無くなり赤と緑光で、橙色二なってきます
 5〜6枚目、緑項も弱くなり、赤色だけが残ることになります
∴、つまり、このフィルターは、青色光を吸収・散乱させ(外からは青黒く見えるが)、赤色光を通す「赤色フィルター」だったのです。

 (波長別の減衰率と)
 次に、このようなフィルターを、入射(光源)側から眺めるコトにしましょう。
 *、0枚目 では、光りが中へ向かっただけで、(帰ってナイ)色はありません。
 *、1枚目 青色光は散乱が強く、半分が奥へ進み、引き返した5割のうちの(6割が消耗して)4割が、上向きに帰って来るとします。 
 光りが更に奥へ進むと、帰り光は次第に増えてきますが、最終的に青色光は入射光の2割が限度で、それ以上にはなりません。
 赤色光の場合、フィルタ4枚目で半減していますが、引返し分の(2割が消滅・8割が表面へなら)最終的に入射光の4割までが、引き返し上方から表面色として見えるコトになります。

  (物質の表面色)
 つまり、帰り光の強さ(波長分布)は、屈折率と減衰率から予め決まっていて、それが物質に固定した「表面色」だったのです。