混色について 


 混色について
 (水彩絵の具) * 昨日の挿入図面の左側は、「物体表面の色は、波長によって(反射率が異なる)ために出来る、という説明ですが・・、上面からは反射光が見えるが・・ 、下向きに描かれた(吸収光)は外からは見えません。←(間違えないように)
 (色を決める三要素)
 少し話が出し遅れになりましたが・・、 私達はこれまで、従来型の三原色論に反対をしてきました。(帯域三分割や、同時並列動作、色素の三色配分などに反対するもので、
「三原色に見える」事実に反対は、していません(誤解の無いように・・)
 ここのフィルター論では、「旧三原色の色光混色」と良く似た内容になります。
「光の波長と色」の間には、大まかな対応(※)があります。(赤・緑・青)の(三種類の色光)として(色光の混色)を、考えるのです。
 光の状態で色が変化し(頭脳が判断した)結果を(三原色のように見せた)と考えます。
 ←だから 色の一時的な原因は、センサー出力であり、この処理出力を色として見るので、システム(頭脳)からの三出力(L・M・S) が、「色を創る3つの要素」 とするのです。
 ※ (帯域分割の色光、がありその組合わせ配分で色が変わる)と言う結果を(短絡的に)容認するのです。
 (フィルター用の三原色光)
 「フィルター」は、光の物理量を調整するものなので(赤・緑・青)の三種が基本で、補色(シアン・マゼンタ・イエロー)はありません。←(黄色は、赤+緑)、(空色は、青+緑)、(赤紫と青紫です。
  (L・M・S)の値は、光の状態の処理結果ですが、実際の値は波長帯域に絡むので、(三原色のように見えた)ものです。
   --- では、本論に返りましょう ---

 (フィルターの働き)
 (昨日の図面で)  フィルターは本来、光の波長特性を変えるための物なので、波長の話をすべきですが・・ 、(簡単のため、波長は変えないで)今回は、フィルターを透過した光と、表面(反射)光などの強さに話を絞りました。
 入射光を100%とすると、赤線より下向きの高さが、フィルター面を突き抜ける(透過光の強さ(%)です。 上の100%ラインから緑線までの幅が、表面光となって返った光(の総和)です。 残り (赤と緑の間)が吸収された光です。
 (絵の具は色フィルター)
 このフィルターを、粉々に砕くか(小さなモザイク片にして)紙の上にでも、並べて見ましょう。 (色フィルターだったので色の模様が見えます)。 ← (色の粉で絵を描いたのですネ・・ )
 これまで 「色料」 と呼んでいたモノ 絵の具など)は、「色のフィルター」だったのです。
 フィルターは、ある,特性に差を付けて選別をするものです。 色フィルターは、特定の色成分だけを残して、 他の成分を (吸収や透過) をして見せない、ようにするものです。
 (水彩絵の具)
 「水彩絵の具」を水に溶いて (白紙に)塗ると・・ 、はじめは、薄くて殆ど色が着きませんが、 何度か重ね塗りすると、次第に色がハッキリと見えてきます。
 丁度昨日の図面のように、フィルターを重ねたように、表面に帰ってくる光が、増えてきます。
 (絵の具の重ね塗り)
 このとき、感覚的には、(色を塗り足した)と感じますが・・ 、上から入る光の総量は変わりません、下へ抜けるハズだった (透過光)を、色料の厚みを増やすことで、(上向き進路に変えた)のです。
 一般的には 色料を塗り足す(混色?)ことで、表側から見える表面色は、次第に強くなってきます。
 ∴ 「フィルター層 色料)の厚みを増やすと、表面(へ帰る)光が増える」のが ← 水彩絵の具の特徴です。
 ←(一般にフィルターは、表面から光を入れて裏側から選別された光を利用するもので、上例のような表面(反射)光を利用することはなく・・、
 (印刷インクや水彩画など)は、ごく特異な例といえそうです。

 (減法混色の誤り)
 従来の減法混色論は、印刷インクや水彩画のように、下の用紙が白く、色彩層が薄い場合、下から上へ帰された透過光が主力になります。
 この場合、色を塗り足すと(色料の厚みが増えて、透過光が減るので暗くなります)。
 (透過光の明るさは、フィルター効果(減衰度のべき乗)で暗くなる)のです。色料の厚みで光が減った、ため暗く見えたもので、変色によって減光したのではありません

 (フィルターの順序)
 減算をするとき、(A−B)を(B−A)と、順序を間違えると、答えが違ってしまいます。
 フィルターで、減衰度の計算は乗除算なので、順序を違えても答えは変わりません、(フィルターの順序が 入れ替わってもヨイことです)。
 同じように、フィルターの厚みを分割して、減衰度を小分けにしても、トータルは変わりません)。
 ← (これは、フィルターを粉に砕いたと考えると、・・ 「材料が同じならどのように混色しても構わない」ということです。