物体表面の色 


  なぜ色が見えるのか?・・ の質問に対して「物体の表面(の色素)が)特定の光(色光)を(選択反射)するから・・ 」と説明されます。 
 反射と言うのは、磨かれた金属矢や水面などのように、光が跳ね返ってハッキリ見えるもので、正しくは「正反射(または鏡面反射)と呼ばれます。
 物体表面の色は、どの方向からも同じ色に見えるもので、光の(散乱現象)なのです。 ←(散乱反射、が間違いを産む元になっています。) 
 (鏡面反射)
  水面などへ光が入り(屈折)するとき、屈折でなく入射角の反対の方向に出る光です。磨かれた金属面や緻密な結晶表面でよく見られるもので、電気的な 「波の現象」 として説明されます。
 次に説明する「散乱」を、(散乱反射・表面反射)などと、誤用されることが多いので、注意しましょう。
 (散乱)
 まづ、太陽光が地表の大気層に入ると、考えましょう。 空気層に入った光は、どこかで大気の分子に遭遇し、電気的な力を受けその進路を曲げられます。
 さらに同じように、 多くの光が、夫々分子に遭遇して・・ と、何度も衝突を繰り返すので、光全体の、進路はムチャクチャで、四方八方に散らばり、此れを(散乱)と言います。
 (減衰)
 物体の表面から中へ入って何度かの衝突の後、旨く外ト向きの進路を得たものは、そのまま物体表面から脱出します。
 中へ入ったものは、さらに、物質の分子との衝突を繰り返して、次第に減衰して・・ 遂には全エネルギーを吸収されて(熱に変わる)消滅します。
 だから、この物質の厚みを、フィルター層と考えると、・・ 光の減衰はフィルター層の厚みで決まります、光の残量は { Z1=Z0*(1−RL)  R: 減衰度  L: フィルタ厚み 」、になります。
 (空や水の色)
 私達は、いつも、空気の青色フィルター層の重なりの底で生活をして、青い空を眺めています。 また、池や海を上から眺めたときは、水中から上面に返された光を水の色として眺めているのです。
 (物体表面の色)
  固体に光が進入した場合も、光は表面から中に潜りますが、分子の密度が高く(キッチリ詰まった状態なので)吸収や散乱などの現象は顕著に現われ、余り深く潜らないうちに(ミクロン程度)、中へ潜ったエネルギーは消滅します。
 反射に見えた光も、実は一たん物体表面へ潜り、通り抜けた透過光だったのです。
 ←(材木の薄いカンナ片は透き通って見えます、金箔は向こうの影が透けて見えるそうです)