波長帯域 


 波長帯域        
 旧来の色彩は、色の三属性として(色相・明度・彩度)を挙げましたが・・ 、色相には(白黒が含まれず)、明度は、(4種の色明度を知らず、白黒度のみを明度としていた)、 彩度は、(基点を誤ったため、方向も度数も定まらない)、 モノでした。
 私達は、今回、 「新しい色相」 と 「色彩度」 を導入して、これ等の誤りを正した、新しい色体系を作り、実際の色配置を築いてきました。
 光は、無数の小さな電磁波の集まりであり・・振幅(強さ)や周期(波長)の違う色々の波が集まって出来ています。 人の目がその波長分布の違いを(色)として感じる、のでした。 
「波とうねり」が違うように・・ 、波長分布の違いは、そのまま色の違いになります。 帯域内の波の分布密度も(直接色に関連するもので・・)光の物性として欠かせないものです。
 (光の分布)
 いま、ある光があるとき、従来の説明のような、一定の波(単一波)は存在しません。常にレベルや波長域の分布は変わっています。 (物理的な波)は、強さと波長だけでなく必ず(帯域幅)を持っているのです。
(光の構成)
 例えば、黄色の色と言っても、その波長分布は、(左端)のように狭く鋭いものや、帯域が広いものがあります。  従来の色彩学では、色相が同じなら (人は違いを見分けられない)・・ として、「等色する」として、区別をしないのです。
 光は元々、レベルや波長が僅かにに違う波が多く集まって明滅し(数多くのホタルか虫の集団のように見える)ています(第2図)。
 → (L方向は、緑から赤方向への隔たり。 M方向は、光の強さ。 S方向は、太陽光 (直接か間接か)
(波長と振幅だけでは波を現せない)
 いま、この光が黄色く見えているとき、光の波長分布は(500nm)付近に集まっていて、レベルもある値(K)の近くに集中しています (第2図)。 これを(波長−レベル)グラフで表すと (第3図のサインウエーブ のようになります。 ← (図表を丸めて斜めに裁断した形です)
 (光のレベルと帯域幅
  * いま、同じ黄色の光を2本並べて照射したとすると、光のレベルは高くなりますが、帯域幅は変わりません。 ← (図では、点線の2倍が実線です)
 * この光を黄色フィルターを通したとすると、(黄色以外の色は減衰)黄色は残るが、緑や赤部分が減少します (つまり帯域は狭くなります)、ピークレベルだけが異常に高い光です。
 一般の擾乱光の場合、光の強さは、帯域の広さでも違うので、
  (等価帯域幅)=(実パワー)/(レベル) ・・ などが考えられます。
 (色の純度と強さ)
 スペクトル光や、同色のフィルターを重ねた色は、波長帯域が狭く、ほぼ一定した波長の光の集まりで、他の色の濁りがナイ、・・ので (色の純度)が高いとします。
 一方、一般の黄色は、事実上 (赤+緑) で、帯域が広く、(多少他の光が入っても)色は安定((強い)しています。
 つまり、同一色相の光でも帯域幅が違うと、(スペクトル光と電灯光)全く違う色になるのです。
 つまり(帯域幅とレベルの比は)色の基本的な要素の一つ(色の純度)だったのです。