スペクトルと帯域幅 

5 スペクトルと帯域幅
 (電気エネルギー)
 静電気の実験 (下敷きを布でコスル) では、容易に(数万ボルト)の電圧を発生しますが、髪の毛を引っ張る程度で、殆ど仕事は出来ません。 一方蓄電池の場合電圧は(10ボルト)程度でも電流(A)が多いと命に関わることもあります。
 発電所(ダム)の水位がどれだけ高くても、水が流れなければ電気は、起こせません。 電気を起こし電圧があって、電流が流れて、そのときの (電力エネルギー) が仕事(※)をするのです。
 ※ 電気の仕事量は、電圧(V)*電流(A)=電力(W) です。 ← (電気代は電力料金です)
 (光のエネルギー)
 光の場合も、(光の圧力)*(光の流れ)=(光の仕事量)=エネルギー ですが、一般の光では,波長の異なる多くの波が重なっているので、波の高さ (※) を殆ど見るコトが出来ません。
 だから光エネルギーの大きさは、一定の帯域内の波の分布密度で違ってくるのです。
 ※ ←(スペクトル光は、同一波長の波が重なったもので (波高が高く波長域が狭い)非常に ピークの鋭い波形分布です。
 (波の粒子の運動)
 上の図は、波の表面の粒子の様子を表したものです。  波の表面の粒子は波の移動によって上下しますが・・ ある粒子(緑色)は波長が少し短く・振幅も小さいかも知れません、中には(赤い粒子)のように長い波長や振幅の大きい粒子もあります、つまり実際の波は、色んな波長やレベルの小さな波が集まって、全体的な波を構成しているのです。 ←だから単一の (値が定まった)波長やレベルのなみは存在せず、示した・・ 一般に使う 「波長やレベル」 は、波全体の平均的な動きを表したものなのです。
 (ピークレベルと帯域幅
 光の波は、粒のように考えると、同じ強度(パワーレベル)でも、ほぼ同一波長で帯域が狭くピークの鋭い波形のもの (下の図左側)やレベルは低いが広い帯域に分布するもの(右図)があります。
 だから、光の強度が問題になるときは、光の明るさ(光量)ではなく、正しく(パワーレベル)を示すために光の帯域幅と分布密度が (※1) 問題になるのです。
だから光の波長を指定したとき、帯域幅を伴わない(不明な)ものは、全く意味が無いのです。

※1  実際の光の分布は、ほぼ集中して (飛び飛びに離れてはいない) いるので、単に帯域幅)だけを指示することも多い。
 (最近の人工光について)
 私達の視覚は、自然の光(太陽光)に合わせて (焚き火・灯火などはOK)発達してきた もので、最近増えてきた (帯域分布でピークの鋭い人工光を)見るようには出来ていません(※2)。
 ※2  (蛍光灯や低・高圧のガス放電のランプなど・・ で、光分布が鋭いピークを持ち、目の健康に悪いbものです)