感度違い 


 感度違い
 比視感度は、元々出力値の比較の話で、私達がいつも扱う入力感度とは違っています。
 これまでの、「明暗・白黒の視力感度」 までは正しかったのですが、(色彩の視力感度になって) 「比視感度」で代用したため、皆んなが混乱してしまったようです。
 (音の感度)
 本来[感度が高い]と言うのは、どれだけ小さな入力信号レベルまで受信出来るか?ということで、出力値のことでは、ありません。 → 分かり易く「音の話で考えることにして・・身近な「補聴器やラジカセ」の話にしましょう。
 「感度が高い」 というのは、どれだけ小さな音が聞こえるか?(入力信号感度)」・・ ということで、どれだけ大きな音が(出力=イヤホンの音量)が出せるか?・・、と言うことではありません。 
 元々「感度」というのは、ラジオ受信機などで は(電波が弱く・出力音も小さかった時代に・・ )、小さな受信信号に、受信機の増幅倍率を掛けて、音を聞いた)ことから、・・ 、信号を拡大する(増幅倍率)が感度と混用された」ためと思われます。
 (音には音色がある)
 音の大小(感度やヤカマシさは)、音の強さだけでなく、聞く人の感度特性によっても違ってきます。 
 波長分布で見ると、概ね高齢者は、(通常の話音(中音部)は聞こえるが、音域の両端(高音・低音部)が聞き取り難いようです。
 (感度表示用のグラフ)
 これまで、入力と出力の関係の表示に、直交座表のグラフが使用されてきました。 しかし、今回は(一定の出力を得る(聞こえる)ための入力値が、波長によって違っているので、複数のグラフが要ることになり、作るのも見るのも大変な作業になります。
 そこで、人の感覚(感度)を表すためには(単なる(入−出力関係だけ) ではダメで、「波長別の入出力関係」 を表せるような、工夫をしたグラフが必要になるのです。
 (フラッチャー・マンソン曲線)
 上の図は、音に対する人の感度特性を示したものです。 全体的な 音のレベル低下で、中音部から低音部に掛けては低音側ほど、音が聞き取り難くなる、ことが示されています。
 高音部も同様、広域ほど聴き取り難いですが、低音側よりへんかは急峻です。
 だから、音のせかいでは、音の強さを即音の大きさとせず、波長感度特性を加味した(補正音圧レベル特性=うるささの程度・指数)が使用されます。
 ∴ 光(色)の世界も、(波長によって光の入力や、色の出力が異なるので、これ等を表せるグラフが欲しいのですが・・ 、残念ながら「マトモな感度図」は全く存在しないようです。
(感度が高いは、光レベルが低いこと)
 正しい感度は、どれだけ小さな信号を捕らえられるか?という「最小信号レベル」のことです。 色彩関係で使っている(比視感度)は、最大出力が得られる入力値と、同等の出力が得られる入力値との比較のことで、出力(感度)のことです。入力感度と混同すると大間違い(数値の大小が反対に)なのです。 ←(皆が、感度と出力を取り違えている様子なので、・・付け加えて置きます)。
 例えば、青色のばあい、非常に感度が高いので、弱い信号でも青色として感じます、つまり最高感度というのは、最低の信号レベルが扱えるということです(そのときの出力とは関係ナシでも良いのです)。
 電灯光は、右上がり(赤外側へ)分布傾斜なので、赤色を感じるレベルは(L曲線の 右上部)かなり高い所(光が強い部分)です。 つまり「赤色がよく見えた」というのは、赤色光の出力レベルが高かったからで、低レベルの赤色入力感度とは関係が無いのです。 一定の出力に対して、大きな入力を要したなら(低感度)ということになります。
 標識灯などで、赤色が強くキレイに見えると言うのは、赤色に感じたレベルが高かったためで、
 高感度の青色が見え難いのは、青く見えた部分は低レベルの部分(強いと白く見える)だったからです。