感度と色の表示 


 感度と色の表示

 (三原色とセンサー感度))
 {第1図}は、太陽光の分光分布図で、可視光線の範囲は(380〜780nm)とされています。
 現在の色彩学は、この波長帯域を3分割して(赤・緑・青)の3種の(色光)が、色の素として、全ての色はこの三原色の(組合せ・配分)で作られる、と考えてきました(左図中段)。
 しかし近年の研究の結果では、網膜の3種類緯の錐体センサー(L・M・S)の感度が色のもとだと考えられています{右下図}。 ←(しかし(LとMの感度は、似た形で重なっていて、三色配分にはなっていません)。

 (センサー感度と色)
 以上のことから、筆者は、「センサーは専ら波長分布の状態を探ることに集中し、その情報を頭脳が解析し、結果を3種の情報として纏めて報告し、その手段として「3次元の色」が採用されたと、考えました。 ←(つまり、波長分布情報を色情報に変える変換装置として頭脳が働いていた、ということです)。
 だから色は、多くの情報を 出来るだけ (分かり良く的確に伝える) ため) の手段として、三次元の色種 (立方体配置は、私達が模式的に考えたこと)、が選ばれた、と思われます。

 (三原色では色を探れない)
 波長分布の探索について、「三原色手法を何故否定するのか・・ 」を説明しましょう。 
 三原色では、「波長と色は対応している」 ことを前提としているし、 波長分布が(ほぼ平坦な)ことを求めます。
 しかし実際の波長分布は、(昨日の電灯光のように) 偏ったものが多く (天候でも光源の色が変わるなど・・ )常に偏った色を見ることになります。 ←実際には、偏った光でも、ほぼ正しい色に修正して見る (色順応)の機能があるので困りません。
 また、昼夜の色感覚 (波長域の移動) など・・ 、波長と色の関係を(固定)しては、説明が付きません。

 (波長分布の探索)
 光の波長分布帯域は、非常に広く、可視光線域に限ると分布域の裾野の傾斜が見える程度です。
 また物質の色別 (波長域) もそれほど急峻なものは無く、三原色を正確に分けることは困難です。
 光源の(太陽光)の波長分布も平坦ではなく ・・  → (帯域分布は、500nm辺りがピークで、ここを中心に青色側に急峻に減少、 赤色側には緩やかな減少になっています)。 
 だから(500nmより) 短波長側が(Sセンサー)感度域で、青色域とします。 
 次に、(500nmより) 長波長側を(L・M)感度域とします、

 (大気の色・光源ノ色
 どの帯域のセンター感度も、(光源の色や大気の緑色)の影響を受けた筈なので、予め、M’感度 (Mの移動平均値) を求めて、観測値から差し引くことで正しい色成分が抽出される、と考えます。

 (色の立方体)
 (L・M・S)の値は、移動平均で求めらたので、正負(+〜0〜−)の値を持っています。 これを色の要素として直交三軸の立体座標 {上の第2図} に配置することで(3値で色を構成し)、図のような色の立方体配置が出来ます。