色は感じるもの 


  色は感じるもの

 (色の感じ方)
 これまでの色彩学では、色には、光源色(色光による色)と、表面色(表面物体の色)があり、どちらも(色素の働きによる)と考えてきました。 この(色素感)による色の固定は、生まれて以来の経験が積み重なって、皆の身に染み付いるようです。  ここでひとつ、実験をしましょう!。
 * 小さな物 (サイフか携帯その他何でももヨイ)を目の前に持って下さい。
 * それを静かに上下に動かしてみて下さい・・ 。 動きにつれて色が変わりましたネ?・・ 。
 * (ワカラナイ人は、電灯の傍から机の下へ移動させて下さい)・・ 。
 * 明るい所では白く明るくキレイに見えたのに、暗い所では、黒ずんだ色でよく見えなくなります。
 * これまでの(色は物の表面に固定したモノ)ではなく、周りの光の状況で(見え方は変わる)のです。 物を見るとき、色の判定は常時繰り返されているので・・手を動かすだけでも物の色は違って見えているのです。
 * しかし同じ物の色が(常にウロウロ変わっては不便なので)光源の色や強さの変化を(打ち消す機能=順応する)があるので、実際には不便を感じないのです。
 (センサーのデータ収集)
 3つの錐体センサーは、夫々の受け持ち範囲のデータ収集を行います。 データの範囲は、入力の最大値から(−6Lv程度)まで、と言うことで、掃引の終了時点で、現在の画面での 「移動平均と偏差値」 と言う形で出されます。
 →  (原画像は、複数回の掃引データが集積されたものなので、毎回の掃引にょって、画面は少しずつ変化して行きます)
 (色の分布)
 朝日や夕陽・気象・や時間変化など・・で、太陽光の(色分布)が変わるので、3つの錐体センサーの指示値も夫々が変わってきます。
 このデータを、再現すると、光源の色の偏りが、色の分布に表れ、(例えば夕陽なら、赤や黄色の分布が多く、色立体はそちらに膨らんだイビツな形になります。

 (明暗と白黒)
 白と黒は、三つの色要素(LMSの値)の合計が{白は最大のとき)黒は(最少のとき)のときで、光りのバランスから生まれるものです。
 明暗は、(光の強弱)のことですが、強い光は予め 「観察可能な範囲]に光量を絞ります。 それから「光が強い所を明るい、弱い所は暗い」とします。 (暗い夜=星明りでは、明暗情報だけです)。
 → 白黒の値は(色立方体の一隅なので)他の色データの値によって決まるものです。 一方明暗は、光の強さ(エネルギーレベル)のことなので、色の元になります。
 ←(実際には、色分布の長径方向を、明暗の方向とするので、白黒と明暗は一致するとは限らないのです。
 → 昼は光が強く「白黒と明暗」はほぼ一致していますが、夜は(青色の感度が高いので)青色分布が多く、色方向は青色に偏ります(プルキンエ現象)。←(全体的には青色感度を抑えるように働きます。

(色順応)
 朝日や夕陽で、写真は赤くなりますが 人の目は(光の色の偏りを消して)正しい色を見せてくれます。 蛍光灯下でも同様で・・ 写真は、緑っぽい色になりますが、目はそれほど不自然には感じません。 このように光源の色が偏っても (それを修正して) 正しく物の色を見せる働きがあり(色順応)と呼んでいます。
 朝日や夕陽などで、色(バランス)が偏ると、三色データの基準(移動平均)値は、夫々の値が違っているので、この三色データの基準値を同一の値に揃えることで、色バランスのが修正が出来ます。
 実際の動作では、3枚の錐体画面の基準値は(棹体の光レベルの値を使う)ので、光のバランスや画面の色模様では変化しない(常に自動的に修正される)仕組みだと思われます。