三原色説の不具合 


 三原色説の不具合

 可視光線帯域の3分割は、旧来の三原色説と新しい科学的な知見を適合させたもので、色の利用面でも効果が大きく、分かり易いので、「三原色(加法混色)」は、絶対的な手法と考えられました。
 その後、→ 三原色(RGB)説に(減法混色CMY)が加わり→、 6色の円盤型の色相環が出され、→垂直に白黒軸を立てる・・などいろいろの改変がありましたが・・  、この三原色説の基調が崩れることはなく、現在でも、世界中の色彩学の基調になっています。
 私達も、小学校時代から(三原色を習い)、日常的な事象も三原色説で解説されるので・・ 、三原色は、いわば「完全な常識」として扱われてきました。
 → (旧来からの三原色を冷静に眺めるなら、(以下に述べるように、色々の不具合があり、これを無視することは許されません)・堂々と異論を出すのは、おそらく筆者が初めてなのだろう、と思いますが・・ 、
(明暗と白黒の範囲)
 先日の(三原色法)による色彩表示(色の配置)によると、「光がある所は白・無い 所は黒」になります。 もう少し正確言うと・・、 光を受けた物体表面が散乱反射する光が強い所は白く見え・・、元々照射する光が弱い・・または、物質が光を吸収した場合など・・ 物体表面からの散乱反射光が弱い場合、黒く見えます。 だからこ
の場では、「光の強さと表面の色(白さ)は一定の対応をしているように見えます。
 今かりに、一定の明るさで (電灯の照射などで) 白く見えている紙があるとします、 暗い室内では明るく白く感じますが、明るい室外からその紙を見ると薄暗い灰色で先ほどのようには見えません。 つまり見た目の明るさ感は周りの明るさで変わるもので・・、祖もものの出す光の強さではありません。
(明暗の範囲)
 人の目が対応(感じとること)が出来る、光の強度(レベル)範囲は非常に広く、白昼の太陽光の下と闇夜の星明りとでは、3000万倍(26Lv)以上の違いがあります。
 一方、人が同時に見る光のレベル範囲 (白と黒) は以外に狭く・・、大まかには10倍程度・・キビしくとっても100倍も違うと、真っ白と真っ黒で、少々の違いは分かりません。 (写真などでは、(+−3Lv)程度(6Lv=2の6乗、64倍)を白黒範囲としています)。
(明暗範囲の対応)
 明暗範囲を光の有無・や強度レベルで固定すると、広範な光強度の変化に対応出来ません。
 しかし実際の場面で、この広い光範囲は同時に存在するのでは、ありません、太陽の位置(日中・夜中など・・)によって大幅に変わります。 ・・(朝から昼間にかけて、太陽が出ているときは明るく → 雲などで隠れたり・夕方などには弱くなり、 → 夜は月や星明りまたは灯火に頼るなど・・弱い光になります)。
 つまり、白と黒は光の有無ではなく一定のレベル範囲を、辺りの明るさに合わせて割り当てていたのです。