意外な常識 


 意外な常識
(旧色彩とは決別)
 旧来の色彩学の誤りの大きな原因は、近代科学の導入に伴って生じた(混乱と対立)にあったようです。 (未消化)の科学論を押し付けようとした(科学派)と、経験重視の(心理色彩派)の対立は、未だに引き続き、現在の色彩理論にも暗い影を落としています。 ←(本講でも採り上げた・・およそ筋の通らぬオカシナ理論は、この両者の妥協の産物です)
 ←(私達は、これらの誤りを見抜ける力を養って・・シッカリと(新しい色の世界)を作ることにしましょう)
(経験的な三原色)
 私達の(色感覚)は(生まれて以来の)永い実生活の経験から身に着けたものです。 その点で、色彩の三原色論は、子供の頃から学習し、日常的に(経験的な事象の積み重ね)が大きく、実際的な(色の利用や感覚が)、(常識)として染み着いて居るようです、 →(理論考察や頭脳判断を超えて(基本的な感覚)になっているので要注意です)
(感覚量の測定)
 物事の原理を考える場合など・・人の感覚と、物理的な測定結果(心理物理量という)とが、一致しないことがよく起こります。 ←(五感の中でも、視覚には(高度の情報処理)で複雑)特に多いようです)
 これは人の感覚が(利便に合わせて調整した結果を見せている)ためで、感覚の(測定が不正確)なのでは有りません。
 →(観測の誤り、と押し切るのでなく、事実を大切に・・その原因を探りましょう)。
(感覚と物理量が合わない)
 身の周りの現象を見るとき、詳しく見ようとするほど、全体的な位置やバランス を見失い、感覚が大きくズレる場合があります。これらの(意外な常識)が結構あるので要注意です。
 視覚における観察で、良く見かける2〜3の例を、揚げておきます。
* 明暗と光の強さ − 光の有無や強弱が、一般的に(明暗の原因)とは言えません。 紫外線・赤外線は、光があっても目に見えません。(一定の条件・範囲では、光の強弱が、明暗の原因ですが・・)。
色の強さと明暗 − (絵の具など)色料を増やすと(暗くなって色が濃くなった)ように感じます(特に青色系統)。 明るい赤や黄色の濃い色では逆に、明るく鮮明に感じます。(色の強さ=明るさ)の関係ではないようです。
*同じ色にも純度や濃淡がある − 一般の黄色とNtランプでは色の純度が違います(帯域幅)。また色照明では電球やフィルタで、色の濃さが違います。(同じ明るさ・色相でも)色感は全く違っています。
* 光が強いと色は薄くなる − 電灯光やネオンなど、光源に近付くと、次第に白く色は弱くなってきます。
* 黒は白で作られる − 昼間の物陰は(黒く)て良く見えません(現場へ行けば、暗くはナイ)。周りの明るさ(白)が、暗さ(黒)を作り出しているのです。
* 暗いと黒い − 飛び去った飛行機は(暗くなって ←空色に溶け込んで)見えなくなったので、黒くなったのではありません。
* 夜の星も(光が弱いので、夜空の明るさに負けて)見えなくなったので、星が黒くはなりません。
 → 光が無いのは(暗い)のですが(黒い)のではありません。
 ☆ 現行の色彩学は、(暗いと黒い)の違いを知りません。(無光=黒色)は、誤りです。