色の濃度
旧色彩学の(色の3属性)は明らかな間違いで・・、実際の色彩処理に色々の混乱を持ち込む元になっています。
今回、筆者が提起した(新色彩)では、白黒を含めた(色相)と、元色を中心にした(色彩度)の2本建になっています。 しかし(色の属性)として、これだけでは(やや力不足→何か足りない)という気がするのです。
視覚の働きで、色に関する重要な要素(感覚→ 色感と呼んできた)が、他にもありそうです。
(色相と色彩度)
話が混乱しないように 、ごく簡単に色の基本を整理しておきます。
(光強度と色) 或る波長域(赤)の光の強度を変化(弱→強)させると、光の強度変化によって→色相が(黒→赤黒→濃赤→純赤→薄赤→白赤→白)と変化するのです。
同じ赤色光を重ねた場合をスペクトルで見ると、帯域幅は変わらないが、ピークのレベルが高くなります。
(波長帯域)
次に、赤と緑の(光を重ねる)と黄色く光りますが、波長帯域が広い(色電球など)赤色光と緑色光を重ねた場合、同一色相(黄色)でも(色彩度)の違いを感じます。 ←(旧色彩では、色変化を識別出来ないことになっていますが(観測の不備)・・、さらに両帯域が広い場合、白色になる)
単色光のナトリュームランプと、赤緑の航海灯を比較して下さい(色感はその色だけでなく他の色とも関連する)
(色の濃度変化)
絵の具や染料などを水で薄めた場合を、考えて見ましょう。
(或る色)を水で薄めても、元からの色(色料)は変わらないので、色自身(色相)は変わりません。 他の(色を混ぜたのではない)ので、色彩度も変わらない筈です。
だからこの場合、(色相と色彩度)以外に、色の見え方を変える別の要素(原因)があった筈です。
そこで今回は、無色の水(色度0)を混合することによって(色の濃度)が薄められた、と考えます。
光の場合も、(或る色)をレンズで拡大すると、色種{(色相・明度)は変らないのに(ぼやけて)きます。
(色の判定)
これまで、色は目のセンサーの感度出力によって決められる・・としてきましたが、具体的に(LMS)の値が何処でどのように処理されるのか?・・は判っていません。
(画素)
全視野を(100万個程度)小さな範囲に分割したものを(画素)と呼んでおり、人の目が物を見る(判断)ときの最小単位です、
色に関わる情報は、(LMS)センサー以外に、棹体センサーから(明暗や(色感に関わる)その他の情報など・・がここに集められて(色がが決められる)と考えます。
(混色は画素単位)
LMSの単純な(組み合わせ)だけでは(原色)しか出来ません。スムーズな(混色)が実現するためには(数量的)な配分が、画素単位で行われる、と考えます
(色度と光の透過)
絵の具の色を水で薄めると(色は弱くなって、次第に透明になり) →液を通した向こうの景色が、次第にハッキリと見えるようになってきます。 霧などの場合は、水滴の白色で景色が隠され(景色の色度が下がった)ことになります。
色ガラスや水溶液などは、色のフィルターとして働きます。
いま、2つの画面(A・B)が重なっているとき、画面の見える比率を変える技法(フェードイン)があります。
つまり、色度は自分の色が見える比率で(100〜0%)となり、透過度とは逆の数字になります(※)。
※ なお、一般に(水の透明度)というのは。白色円板を湖等に沈めて、水深何メートルまで見えるか?・・の数値で、今回の透過比率とは違います。
(色環の識別領域)
前項の(色度)以外にも(色感の違い)感じることが、多々あります。(同じ色に見えるのに、何だかザラザラした感じ)(色変化のグラデーションが、いまひとつキレイに描けない)(同じ色なのに、くすんで、パットしない)など・・ 以上、画素の色は、(LMS)だけでは決まらず、(色感も含めた色)が正しく決まるには(棹体情報を含めた)もう少し広い領域が必要と思われます。
(色の3属性)は(色の範囲)を(余りにも狭く)し過ぎたようです。広い(色感覚)を、今一度見直す必要が有りそうです。