光と色の雑学 


 光と色の雑学
 以前にも少し触れましたが、色彩の世界では、私達の生活上の感覚と、物理的な測定が一致しないことが多いようです。
 (視覚・嗅覚・触覚・・など)は、人が外界の状況を知るためのセンサーネットです。 ここから得られた(物理的な情報)は、色々の解析(頭脳コンピュータ)を経て、その結果を(行動の指針)として示して(感情)きます。
 頭脳処理は、これまで(心理学)の領域でしたが、視覚センサーも、システムの一部(前処理)を担当し、分り難い動作になった、と思われます。
 (光の強さ)
  光は、電磁波(近接高周波)の集団で、中心周波数と一定の帯域幅を必ず持っています。 多くの光が散在する場合(波どうしが重なって波高が見えなくなり)、従来の波高では強さは分りません。
 しかしこの場合、光の波が粒状に見えるので、 光の仕事を粒数(エネルギー量)で゙測って(光の強さ)と考えます
 (エネルギー量)=(光レベル)*(実効帯域幅)、とします。(電磁波密度が高いときは、実効帯域は広い)
 一般の黄色光は(赤〜緑)域に跨り広帯域なので(低レベルでも)センサー感度があります。(←単峰スペクトルは、ピークレベルが高くても、帯域幅は狭くエネルギーはそれ程多くない)。
(周波数に比例)
 波の力(エネルギー)は(周波数に比例)するので、可視光線域の中でも(赤と青)では、同レベル(振幅)でも、強さ(エネルギー)は2倍の違いがあります。
 赤色が(明るく・強く・暖かく・エネルギッシュ)のように思っていますが(赤の方が弱い)のです。
 周波数が高い(青色は)暗く・弱いように思いますが、大きなエネルギーを持ちます、(※)が一般的な説明ですが・・。 
※ 筆者は、紫外線など超高周波の電磁波は、物質の基本構造を(変質・破壊)する力(太陽光で、プラスチックが傷む・どんな色素も分解変質する・・)があり(大変危険)です。
 青色域は、この危険回避のため(白く飽和する)と思っています。(赤色域は、高レベルで緑との差を利用している)
(スペクトル光)
 蛍光灯を初めとする最近の人工光は、鋭い単一型のスペクトル光を持っています(むしろこちらが明るさの主体です)。しかしこれまで、これら人工光の感度について調べられた様子は無く、何も判っていません。
 これまでの私達の(視覚センサー感度の解析)からは、これらの(鋭い単峰型スペクトル)が、連続型の色感度には(余り寄与しない)と思われます。 
 単一スペクトル(例えば、Naランプ)の場合、黄色のみのモノクロ(単一色)画像の世界になります(2012.6.18)。
 高圧放電灯などスペクトル光は、ピークレベルが高いので、(普通の)色が見えない遠くまで届きますが、特定色のみの(明暗の世界 ←棹体センサーの感度)です。
 したがって、このような放電灯は、視覚センサーの(特定周波数域のみを酷使する)ので、一般照明用には不適切で、広範囲の防犯灯や標識・信号灯などに用途が限られます。(光の強さと色)
 焔や色電球など発光するもので、次第に発光強度を強めて行くと、・・初めは(弱く赤黒い色)が→次第に色付き→キレイな色で→さらに光も強くなり→黄色く輝くようになり→白くなって(この辺りで燃え尽きますが・・)→ どの色でも、光が弱いときは暗く不明瞭ですが、→次第に色がハッキリと色付き→或る程度で色度が最大になるが→それ以上に光を強くしても色は却って弱く・白く変化をしますす。
 色光が白く変化したのは、光強度が増したことですが・・色を求めていた我々は(色の強度が弱くなった)と感じます。 ← ここに(彩度の混乱)の原因があります。
(背景色と色塗り)
 私達は物を見るとき、背景の色は(空・雲など・・)殆ど白色で゙見ると決めています。 ←(全色だから、特定の色が欠落することはない)。
 また色を塗り・絵を描くとき、白紙を使って、光の弱い(暗い)部分を狙って色を塗っています。 だから、色を塗るという動作は、(明るい光はそのまま残して、光の弱い部分は、絵の具(色料)で(他の色を消して行く)・・という逆転した操作を行っているのです。
 色を塗るということは、物理的には、→ 光を吸収する(特定色を残す)フィルターを、積み重ねているのです。
 ←(水彩画などの絵の具は、透過型の色料なので、ステンドグラスのように(色素面を通過した 透過光)を見ている、と思って下さい。一般の物質の表面色でも、原理は同じです)
(色の純度と帯域幅
 色電球や黄色のセロハンで黄色光を作ってスペクトルを見ると、赤と緑の領域が埋まっていて黄色の幅はありません、 つまり一般的な黄色の光は、大抵(赤と緑の合成光)です。
 黄色の光は、(赤と緑の両光を)併せて見ているので、(赤・緑)単独よりも(エネルギーや帯域幅も広く)明るく色も強く見えます。
 これに引き換え(道路照明のナトリュームランプ)は、殆ど純粋の(単一のスペクトル ←帯域幅が少ない)の黄色光です。
(黄色以外の光を持たないため、他の色は全く見えず、形が判るだけの、モノクロ(黄色)の世界です ← 2012...6.18)。
 夜の標識灯も、センサー感度の高い(特定周波数=575nm付近)のみを見ることになります。赤くて暗いが、色の澄んだ透過光です。(← なお緑色光の波長も極限はこの付近に近付きます)