センサー感度と色 


719B センサー感度と色 

(センサー感度と色)
  (感度特性と色)については、これまで説明したとおり、・・ 目のー感度特性が、色の違いを産み出す原因ですが・・、3種のセンサー出力(LMS)を、直ちに(3原色)とするのはムリのようです。
(Mセンサー) の感度は、可視光線域の(中央部を広く緩やかに覆っています)、つまり目に入る(光の強度)を、代表するものと思われます。
(Lセンサー) Mセンサーと良く似た形で(緑-青域では殆ど一致している、緑→赤域にかけて、両者の差が開いて大きくなってくる)
(L−M) と両者の差を求めると・・、(青ー緑)域では出力感度ナシ、(緑から→赤→赤外域)と右に行くほど(感度差)が大きくなります。 (←感度差出力は、域内の光分布の傾斜なので、光源の種類(緑・黄・赤・茜・赤外域・・の光、←色温度)を判定するのです。
 (赤色の感度は、実質的に(赤外域の光源の有無)を示すもので、←活動的な条件・生命反応。利用可能なエネルギーがある・・などを知ることになります。
 (Sセンサー) 上と同様に(S−M)を求めると、青→紫外域への傾斜感度が得られます、(青色は、紫外線に近く危険度の高い光線です。 白色飽和によって、生理的に不快を感じさせ、危険を回避するように警告をするのです
(センサー出力の配置)
 したがって、実際のセンサー出力は、(L’=L−M)および(S’=S−M)と(M’=M)の3種類です。この3つの値はいづれも(−〜0〜+)の値を持っています。
 直交する3軸(LMS)に、このの値を(3値を1組)にして、プロットすると。・・夫々の位置が決まり、位置に応じた色が決まります。
 ←(3軸による空間は、位置によって色が決まっているので。いま仮に、全データを埋めたとすると、図のような色の立方体が生まれます。このような色の範囲を(色空間)と呼びます。
(色の構成と範囲) 
 実際のデータ分布では、(波長や強度レベル)の異なるものが集中的に分布(綿菓子のように・ほぼ球形・・)していると、思われます。
 なおここで注意してほしいのは、L’、M’、S’が直接(色)ではないことです。(この三つの値(0の場合もある)の組み合せで、位置が決まる)始めて色になる、のです。
(色は色の集団)
 光は、隣接波長の光が数多く集まって粒状になった、ものでした。 したがって色も単独の純粋光と言うのはなく、近接の多くの色が集まって構成されたものです。
 ○○色光と言っても、中心波長の他に帯域幅や尖鋭度、強さと言っても平均レベルだけでは表せない(スペクトル)ものもあります。
 詳しくは別の機会に採り上げることにして、ここでは(色)は、一定のレベルや波長に固定したものでなく、その辺りに集中分布する、として置きましょう。
(色の補正)
 棹体は光レベルの強弱を測っていますが、錐体センサー感度には明暗情報がありません、レベル分布の最大・最少点で明暗軸を決めて、棹体情報を利用している、と考えられます。
 目に入る光が常に全色範囲とは限りません。実際には色範囲が限られる場合が多いと思われますが、人の目には、光源の色の分布が偏ったとき、これを補正して色変化を感じさせない(順応機能)があります、 また プルキンエ現象(夜の青色シフト)も同様、この機能によると思われます。