センサーの信号 


 センサーの信号

 私たちの視覚は、昼間の太陽光を基準に創られています。 天候・朝夕の色変化や夜間の灯火など(自然光)なら(順応性)でカバーするように出来ています(人工光は想定外)。
 網膜の4つのセンサーがどのように働き、頭脳に送られる信号がどのように組立て・利用されているのか・・ などについて探って見ましょう。
(棹体の信号)
 数多くの棹体(センサー)が、外からの光りを受け止め(感光する)することで、光りの強さ(明暗)や方向を感知するものです。
 棹体は、網膜の底一面に分布し、外から見ると白黒のフィルムの画像のように拡がっています。
 棹体の情報(感光状況(白黒)は(特殊なレーダー方式)で(画素ごとに纏めて)集められて、神経系統を通して頭脳に送られ、(頭脳側の基本原画)として再組立てされます。
 棹体は、数が非常に多く(面積が広い)ので、(目に入る光子を逃がさず受け止める)ので高感度です。
 棹体(センサー)自体が扱う信号の強度は(数Lv程度)ですが、視覚システム全体では方範囲(26Lv=1600万倍)に対応するようになっています。
(錐体センサーの働き)
 従来は、Lが赤色・Mが緑色と(三原色)に考えられてきましたが・・全て間違っています。
 太陽輻射の図(2011.10.01)によると・・、最強の輻射レベルは、左端部の550nm(0.55μm)辺りで、それより右はダラ下がり(※)になっています。
※ ←(波長表示のためで、太陽光のエネルギー分布は、550nmより長波長側の広い範囲でほぼ一定です)
(L−M)センサー
 L・Mの2つのセンサーの感度特性は、お互いがよく似ており、共に可視光範囲のほぼ全域を含んでいます。 ←(長波長側は500nm辺りまでほぼ重なっていて、ここより短波長側で少しずつ差が開いています)。
 ここで両出力の感度差(L−M)を求めると、550nmから長波長側への(三角形に拡がる))特性が得られます(中の図)。 ←この(センサーの出力の差)は、=域内の光分布の傾斜(色温度)のことで、可視光線域より外の(赤外域での強力な分布の裾野)が見えたものです。( 2011.12.26 赤外域。色温度の傾斜などを参照)
(L+M)センサー
 どちらもよく似た形で、可視光線範囲の主力域(青い色を除く)をカバーしています。(実質的な色の識別範囲は(緑〜赤外範囲)なので、事実上すべての(色光)の強度を表しています。
(Sセンサー)
 従来から(青色)のセンサーとされてきました。(この点は同じですが)・・、暗い夜空が青くなり、次に赤が見え、黄色い光りから白昼へ・・の順序から(青色感度は、棹体に次いで感度が高い)ようです。
 S錐体は総数が少なく、感度幅(許容レベル範囲)が少なく、すぐに光子が溢れて(眩しい)と感じます。(これは紫外線域に近い領域なので危険防止のためと思われます)。
*(青光の感度) 暗い夜空でも、弱い光が来たとき(青色部分を真っ先に感じる)ため、夜空を青く感じる(プルキンエ現象)のです。