人工光 


(8) 人工光

(A) ヘルツの実験
 右側の図は、ヘルツの実験で、水銀蒸気を入れた放電管で、陰極をC、陽極をP2、に設定して電流を流しますが、格子P1に加える電圧によって電流が調整できます(真空管の原理)。
 ところが実際には、図のようにP2の値によって電流出力が変化します。これは、P1の電圧が4.9ボルトになったとき、陰極から出た電子が周囲のガスによってエネルギーを奪われて、陽極に到着できなくなるためです。
 このことから、 4.9 、9.8、14.7ボルトは、水銀原子のエネルギー準位(旋回軌道のエネルギーレベル)と考えられます。

(B)人工光
 上図のような、ガスを封入した放電管の両端に高電圧を掛けるなど・・電極間に放電が起こり、一定の条件が満たすことで、この放電を維持させることが出来ます。 放電で加速された電子が周辺のガスや管壁の物質に衝突して発光するものです。
 限られた条件下での放電現象なので、出てくる光の波長は、特定の波長に限られ、非常に鋭いスペクトル特性を示します。
 自然には存在しない(人工の光)ですが、最近急速に普及して来ました。
 これまでは性質も分らず(特殊なスペクトル光)ということで、一般的な(光としての取扱い方法)は、決まっていません。