発光 

(6) 発光(熱擾乱)

A) 通常の状態
 これまでの話を整理をして置きましょう。
 物質の最小単位は分子ですが、その分子は幾つかの(元素の組み合わせ)で出来ています。 原子の中心は原子核で、複数(原子番号)の陽子と、周辺を旋回する同数の電子とで構成されます。
 陽子は(+電荷)電子は(−電荷)で、釣り合いを保って核の周りを旋回しています。

B) 励振によるレベルの転移
 物を燃焼させる、または強力な電磁界に晒す・・などすると、原子のエネルギーレベルが上がり( 電子は激しく振動し)→ よりレベルの高い(外周軌道)を旋回するようになります。

C)エネルギーの消耗
 このときの波長が、周回軌道の(1/n)に合致すると定在波が発生(共振)し(エネルギー交換)が行われます。 電子は、次第にエネルギーを消耗し速度を下げながら旋回を続けます(波長が長く周波数は低くなってくる)。 
 やがて(n)の値は(・・・3・2・1)と小さくなり、さらに一段下の周回軌道に下がります(遷移)。
 このように原子は、電磁波(光)を介してエネルギーの交換を行い、外界とレベルを合わせを行うようです。

D) 輝線と暗線
 上図は、食塩を燃やしてそのスペクトルを見たものです。物によって決まる特定の波長(ここでは,590nm)で明るく輝きます。電球の光を冷たい食塩のガス(冷温)を潜らせると、590nmの光を吸収して黒い線が見られます(暗線)。
 原子は、常に外界とエネルギーの交換を行うのです。
 自分が高いときは、発光することでエネルギーを放出し 自分が低いときは、光を吸収することで、エネルギーバランスを図っているのです、

E)熱擾乱の場合、
 物質の温度が高くなると、電子の運動が激しくなり、元の軌道を外れて外周に飛び出します、がそ
次第に速度を落とし(波長が長くなり)自身の周波数が旋回軌道と調波関係になると、定在波が立ち共振をして(※)エネルギー交換が行われます。 また周回軌道の遷移でも、エネルギーの放出(発光)が行われます。
 このように原子が、熱によって得たエネルギーを外界に放出するのが、一般的な熱擾乱による(発光)です。