夕日と空の色 


音に学ぼうー10

夕陽と空の色

(1) 音の遠距離伝播
 (生駒)山の上で泊まると下界の物音が手に取るように伝わってきます。夜の空気の温度差によるものです(屈折)。
 昼間平地は太陽に暖められますが、夜の地面は熱を放射して温度が下がります。 上空は、空気の比熱や雲などで温度を保ち暖かいので、街から拡散した音が下向きに曲げられ、山上に届くのです。

(2)夕日が赤い理由
 「夕陽は、波長の長い光が長距離の埃層を潜り抜けて、目の前に来ると途端に散乱反射して赤く見える・・」なんて話はチト勝手過ぎませんか・・?。

 夕方になると、太陽の高度は低く光は次第に(水平に近付いて)きます。大気の層はこのとき(プリズム)として働き、上空の光をやや下向きに屈折します。
 夕日の始めには、青光の位置から太陽を見るので、青い太陽は(迎角が高く)他の色の太陽よりやや上に見えています
(つまり我々は、色フィルターで少し色ズレを起こした太陽を、重ねて見ているのです)。
 地球の自転により、自分の立位置は左から右へ(太陽やプリズムは右から左へ)動いて行きます。
 始めに、青光が届かなくなり(緑と赤の2色で)黄色くなり、さらに緑光も届かなくなると、(赤色光だけ)が最後まで残る事になります。

 なお(夕陽で空が赤い)のではありません(光が横に走っただけでは見えません)。赤の光が、途中の水滴(雲)や建物の壁などに当たって、反射して赤く見えるものです、(正確に観察しましょう)。