音の伝播 

音に学ぼうー9

4 音の広がり

(4)音の伝播
これまでは、空中を伝わり耳に届く、ごく一般的な音の話でした。
* 水中で石を打つと、カキッツ!と鋭い異様な音がします(媒質)。
* 雷の音は、雲と大地の反射で遠くへゴロゴロと響きます(頭上ならピシと鳴るだけ)。
* トンネルや井戸では(周りの反響)音が篭ります。
* 山彦は周辺の山で反響した音が集まったものです(集合)。
* パトカーの音は、音源の接近・離反で音程が変わります(ドップラー現象)
* 超音速飛行機の音は、全ての波が同時に到着して爆発的な破壊力(音エネルギーの集積)
・・・ など、音そのものよりも、周りの環境が、音に大きく影響する場合があります。

∴ 波の素になる個々の現象は、非常に小さくても(数多く集まって)一定の(環境・条件)が揃うと、特別な性質・現象を見せる場合があります(誤差を無視しない、その理由を重視すること)

(5)光と周辺光
 光と色の関係では、光そのものは変わらないのに、周辺の環境・条件で(色の見え方が異なる)ケースがよくあります。 色は(光の状態)を人が認識したもので、光そのものは色ではない(※)からです。
 光と色を混同していると、測定結果などに重大な影響を及ぼすので、十分な注意(周辺にも)が必要です。

※ 筆者も安易に「色光」という言葉を使いますが・・正しい言葉ではありません。「光の波長(周波数)と色の対応」は大雑把(○○色に見える光)程度の言葉で正確なものではありません。

(6)散乱光の強度
 光源から出た光は、物体に表面で散乱を受け(方向や強度もバラバラにされ)全く揃っていません。
 物体は、一定の方向から受けた光を(全方向に散乱)するので、ここで光は、かなり弱くなっています。
 散乱光を利用する側からは、真の光源は分らず、散乱物体が光源に見えます(この点から拡散が始まり、距離減衰の計算もここから再開です)。

(7)透過光
 透過光の場合、一定の条件にマッチしたもののみが、容易に分子層を通過して進行を続けるものです。屈折
で拡散度が大きく変わることは無く、元の距離減衰を引き継いでいます。
 またはガラス水溶液など特定の領域に閉じ込められ一定条件に合致したもののみが(選別され生き残る)ことになるので、乱雑だった光が整流(拡散しない)されるので、光達距離が大きく伸びる場合があります(宝石など結晶の光)。 ←(レーザーも同様の原理)