物体表面の色 

 物体表面の色

私たちは、日常の生活で多くの情報を目から得ています。中でも昼間の活動時に(色の判断)は大きな役割を果たしています。
 重要で使い慣れたことだから、経験的な事象が積み重なって先入観を作り上げています。経験的な色彩感覚は、物理科学の観測とは一致しないことがままあります。感覚は物理の他に(経験・心理・生理・・コスト)も含めて合理的に纏められています。
 (観測に合わない)ではなく、観測の至らない点を反省して見ましょう。オヤオヤ?・となったときに、先入観で思考が制限されていないか?、もう一度見直して欲しい・・と思うからです。
(とくに色彩学では、学習と経験が一致しない事が多いナ・・と筆者は思うのです)

2−1ー1 物体表面の色  (反射透過吸収の図)

 多くの書物が、光が色を見せる理由に「反射と屈折」を掲げてはいますが・・、その後(虹の話・夕焼の話・・など)が続きますが、それらの現象が(なぜ色になり、どう繋がるのか?)の具体的な説明はありません。
 「分光反射率」を提示するものと、いきなり「等色関数」を持ち出すもの・・が有りますが、どちらも「表面色は予め決まっている(表面に色素が貼り付いている」という立場(先入観)です。(←これらの不備については、後に詳述します)

 物質の表面と色の関係は、かなり複雑で、単純な「屈折と反射」の図面程度では、治まりません。

(1)光の通路
 波が通る物質を(媒質)と言いますが、光(=電波)の波は、真空も(媒質)として通過します。
 光は、進路に分子があると、衝突して進行を妨げられます。 このときの(進路変変更)や(エネルギー消耗)で、(光の分布状態)が変わり(色が変わる)ことになります。

 分子の密度は、物質の状態(気体・液体・固体)で大きく異なります。
* 気体では、分子密度が少ないので、(減衰も少なく進行方向を、そのままに直進します)
* 液体での分子は(ほぼ整列)詰っているが自由に動ける状態です。同一媒質内は直進しますが、速度が遅くなります。
 色素を入れた溶液では、溶液中の色素が、色光の散乱や減衰に関係してきます(透過フィルター)。
* 固体では、隣の分子との(結合や接触)が密で、色光に大きく影響をします。
* 結晶体、 分子が完全に整列している結晶体(ガラスは固溶体)では透明です、屈折率との関連で特定の光のみを通す(宝石)もあります。宝石の光は整列して減衰(拡散)しないので強く輝きます。
*(非結晶の一般的な物質)です。表面は、凸凹で決まった形が無く、当った光は、四方(立体的に)散乱します。