先入観 

(先入観)

 これから「色にからむ物理」について見てゆこうと思いますが・・(はじめに一寸お断りを・・!)・・
[色の話の前に、先入観を持たせるのは(フェアでない)のですが・・、話を進めるために(一応の確認・整理)を、しておきます。]

 (光が無ければ色が見えない)ことから「光が色の元である」と誰もが言います。
 自然の光は全色の集まり(ニュートンの実験や虹の話など・・)で、光の(波長と色)は対応しており、「一部の光のみを見るから色が着く(全色なら白、光が無ければ黒)」と言うのが、みんなの常識で(自然な感覚?)と思われています。
 (この目で確かめた・・、オレの目が黒いうちは・・)など言いますが、人は意識を通してモノを見ているのです、目は非常に便利に精巧に出来ていますが(物理的には不正確)なことが意外にあるようです。
 筆者は、生まれつき目が悪く(当時は困らなかった)成人後に矯正手術を受けましたが・・今だに(昔の感覚で戸惑う)ことがあります。
 この自然な色彩感覚(→常識)は、その後の経験の積み重ねで、さらに意識の奥深くに「色彩感覚」として定着しているようです。

(A)白背景
 人は、昼行性の動物で、昼間の太陽光で色を感じる(夜は明暗)のが普通です。つまり「白背景(バック)」に慣れきって・・(その感覚が当たり前)になっています。
 どんな色も、光源に近付くと→明るく→白く→眩しく、なってきます(色電球やネオンサイン)。
 黒バックだと(光の強さに合わせて明るく感じる)のに、白バック(紙に描いた色彩)では、光が強くなると(白く→色が弱く)なった、と感じるのです。

(B)色料は、色を塗らない
 絵の具など(塗り重ねると色が濃くなる)・・と思っていますが、ここに(勘違い)が潜んでいます。
 紙面への印刷や絵の具などでは、外からの光は,一度色の層を通って紙の奥に入り込み、再び表面に向かって出てくる時に再び色の層を通過することになります。
 色料は(特定の光のみを通し)それ以外の光を(吸収・消滅)させるものです(フィルター)。
 だから(色を塗る)と言うことは、紙が光を採り入れて反射するとき、特定光を通すため(他の色を取り除く)フィルターを設けたことです。
 (紙の上にセロファンを乗せて、裏から照らして見て下さい)「フィルターを重ねる程、光が弱く・暗く」なります。