桿体の感度
これまでの話は(錐体センサー)の色検知に関する感度特性について‥ でした。が、桿体センサーの話は全く有りません。
桿体の動作について(どの書物も)次のこと以外は、全く触れられていません(殆ど何も分かっていない)。
*「桿体は、薄明視以下の暗い光で、専ら夜間に働く。
* 総数1億2千万個もあるが、全て同一種で(錐体のように分かれていない)。
* したがって(色を感じることは出来ない)」となっています。
* 他には、感度の中心が(507nm)なので、暗所視では、色が青に偏る(プルキンエ)‥
となっていますが ‥
* 錐体センサーの総数は600万個(Sが少ないとのことです)‥ →、錐体によるカラー画像は(平均200万画素)になります(← 開発初期のデジカメ写真)
←貴方はこんな(ピンボケのような画像で)生活出来ますか?(おそらく道路向うの信号は読めない、小さい輪郭はギザギザで見えない、落し物は探せない‥)
筆者は子供の頃、白黒写真に絵の具で着色し「天然色」だと遊んだものです。皆なが何時も見ているテレビも、白黒写真にピントの甘いボンヤリ色画像を乗せただけです。 → 人の目は明暗画像が主力で、カラーはボンヤリでも結構キレイに見えるのです。
視覚の表示は、あくまで桿体の(明暗信号が主力)で常に動作しており、色は(オマケみたいなもの) →昼は錐体の画像だけで‥ )はトンでもない話です。
第1図(左) は感度特性を比較したもので、実際の桿体の光感度は、錐体の(LMS)の数十倍は高いようです(橙色の線は紙面を外れて遥か上に行きます)
(← このような図面での入力レベルは、弱い信号ほど上にきます−上方では桿体にしか感じない、強いレベルは下方で、錐体で色を感じるようになる)
(合成感度)
どんな信号でも、まづ光全体の強度を感じて、安全レベルまで光を絞ります(桿体の基準レベルを設定します)、
赤の信号があるなら、さらにこの点から、赤の方向(下の赤と平行に)目盛ります。
(青信号があれば同様に‥ )
色が2色なら合成色ですが、3色の重なり部分は(白黒なので)明暗軸の方向に動きます。
(ベクトルの順次合成のとり方です − 最終のプロット位置が、色や光の強さを表しています。)
(倍調波)→ (参照:1.22)
桿体の信号受信印範囲は広く、青色域を超えています。
いま仮にこの範囲を、2000テラHzまでとすると、第2倍調波は全域、第3倍調波は、赤から緑域、第4調波は、赤色域まで、を受けることになります。
桿体は、色特性を待っていませんが、赤色信号がきたとき、錐体の赤色信号出力に、桿体が受信した倍調波の感度が、赤色に加算されます。
(赤や黄色が、他の色(青色)に較べて(非常に感度が高い)のはこのためです。)
(← 心理4原色など‥理由も無く押し込んではイケナイ)