色の純度 


色の純度

 (1) 倍調波は白い
 倍調波では(2、3‥n倍)の信号は、纏めて観測されるので色別ではなく、強さ(信号強度)として働きます。 つまり倍調波が多いと光のレベルは上がり、色が白っぽくなってきます。(感覚的な色配置でも、赤や黄色の明るい所が強い)

(2)散乱光と透過光
 散乱光は、生成過程で発生した多くの倍調波を含みます。だから明るいがやや白っぽくザラついた感じの色になります。倍調波は周波数が高く、屈折や散乱を受けやすく余り遠くへは届きません。
 透過光は(水溶液)フィルターなどで波長選別を受けるので、倍調波は少なく透明感があり落ち着いた、やや暗い感じの色で、夜間は遠くから見ることができます。

 (3)色の純度
 以下の三つの光は、現在の色彩学では見分けが付かないから(等価)←(同じ色)になっています。しかし三者は夫々独特の感じがあり到底(同じ色)という気はしません。 筆者は次の(占有帯域幅)がこの(色質の違い)の原因の一つ‥と考えています。 
 光を物理的に捉えると「周波数・帯域幅・レベル」が「光の三大要素」になります。

 * 絵の具など色料の黄色‥、見た目は黄色ですが、波長帯域が赤と緑に大きく広がっています(1.08)。
 * 透過光は、‥ 水溶液のフィルター層を潜り抜けた、黄色波長に近い光が選別されて集まっています。
 * ナトリュームランプ ‥ 鋭い黄色光のスペクトルの集まりで、こちらの方が(純粋の黄色光)です。

 (4)帯域幅と尖鋭度
 光と同じ(電波)の世界では、このような場合の尖鋭度を「Q(quality)」で表しています。
 Q=(中心周波数)/(半値帯域幅)です。 
 (半値帯域幅)は全エネルギーの半分がどの範囲に集中しているか?です(Qの値は、昔のラジオの分離度で100程度でした)。