倍調波 


  倍調波

(1)倍調波と音楽
 昨日の話は如何‥?、円板は(廻り灯篭と干支)なら如何?‥
 また(色と波長の話)ですが、波長が短くなることは周波数が高くなることです。位相なら(+)で右へ(回転)進むことになります。
 今日は円板の模様を、色並びにしましょう。 茜から始めて(→赤→黄→緑→空→青→紫)と対応波長をどんどん短くして行きます。位相角はどんどん進み、紫(茜)まで行くと1回転してもとの位置に来ます。 このときの波長は丁度2分の1(周波数は2倍)です。
 このように基本波(x1倍)に対して、x2、x3‥xn倍(周波数)の波を、(n)倍調波、と言います。
 倍調波は基本波の変形で出るもので、基本波と一緒に必ず居ます。(絵に描いたような正弦波は自然には存在しません)

 音楽では、倍調波を(オクターブ)と呼んでいます。 音を下からだんだん上げてゆくと、オクターブ違いで(同様の音調)が繰り返されます。楽器の(音色)はオクターブ違いの音が絡み合って出来ています。
 ← 光でも、このような関係があるのでは?‥ と対比させて見たものです。

(2)桿体の分解能
 色センサーの錐体は、3色で600万画素、さらに分布が中央に集中している、とのことで、人の目の(色の分解能)はデジカメよりもさらに悪いことになります。
 光学顕微鏡は波長より短い物を見ることは出来ません。高い分解能を得るためには、短い波長(高い周波数)が要るのです。
 桿体センサーは、1億2千万個もあり、高い(細)かい分解能を持っています。だから「高い周波数(←倍調波が扱える)」ように思われます。

(3)倍調波の範囲
 上の図を見て下さい。これからの話は(倍調波が存在する)と仮定しての話ですが‥。
 基本波は、茜色の端(400テラ)から紫の端色(800テラ)までになります。2倍調波は2〜4倍の(800〜1600)まで、4倍調波は(1600〜3200)の間に発生します。
 桿体センサーの感度幅が、仮に(〜1800)まであるとすると、低い周波数(赤や黄色)では2・3・4倍調波の感度があるのに、高い周波数(青や紫など)では、2倍調波以外は感じない(低感度)が起こります。
 実際の色感度は(赤や黄色が高く青などの短波長域が低く)非常に偏っています。

 以上から筆者は「桿体センサーは、倍調波領域に感度を持っており、システムとして(赤色側に偏る)色感度特性を示す」と考えています。