新色彩学を再開します 


 雄さんの「新しい色彩学」を再開します。
 と言ってもとくに目新しいものはありません。(新しい人は、前講(昨年1〜5月)を参照して下さい)
多くの質問についての解答と、前講の説明の補完をして「新しい色彩」の姿を明確に示そうとするものです。 また私の提示した所は「色彩(学)の基礎であり入口」です、みんなの力で(学や技術)に広げて欲しいと願っています。
 従来からの(現代)色彩学の誤りや不適切は(今更論じるまでもないのですが)、質問の殆どが(旧色彩学に捉われて)脱出せないためのようです。
 素直に新しい色の世界を見るために(古い拘り)は捨てて欲しいのです。新論の展開に先駆けて「現代色彩学の(何処が・どのように間違っているのか?)の説明」から始める事にします。


1.1 色とは何か?

 「色とは何か?」について、これまでの色彩学は明確な答えをしていません。 書物では(光と色)(波長と色)(色が見える)(反射と透過)‥などいろんなアプローチはありますが、いずれも現象の説明で「色の本質」について触れたものはありません。
 大方の論調が「光が無ければ真っ暗、あってはじめて物が見え色が見える、光の色は波長によって異り、色光の組合せで色が作れる(混色)、物質表面の反射や透過で色が決まる、色料操作で色は自由に変えられる‥」となっています。
 つまり、太陽光などは(波長の異なる)色光の集まり(透明=白色光)だが、ものの表面で色光の取捨選択がおこなわれ「色になる」‥のようです。
 3原色や加減法混色の誤りはこの後に触れますが、今回は「物が見えるのは何故か?」をすこし追求して見ましょう。

1.2 目は光のセンサー

 最近の医学の発達で、眼球や網膜の構造が明らかにされてきました。目の光センサーの様子や、センサ−からの信号が脳に送られ、脳が画像を合成して色んな処理・判断を行い指令を出しているようです
 色に関しては、L・M・Sの錐体からの信号などは脳で処理され、この信号を組合せて色が作られるようです。
 ここが大切です、(頭脳が信号を処理して色を作る)のです。 (光が混色)したり(色料が独自に色を作る)のではありません。センサーは自分の色の存否を観察するだけで、混合や分離は頭脳が判断しているのです。
[参照:掲載図面は前講(2010.4.5目の働き)の再掲です、 詳しくは新書,HPなどで‥}