色彩の応用 

  色彩の応用

 前章(色の世界)のつもりが、次の(利用面)に深く入り込んでしまいました。これ迄の所は(かなり端織ったが)一通りは終わったことにします。
 これまでの纏めを兼ねて「実際的な利用の一端}を披露しておきます。(講座を通された方には)目新しい話は少ないかとは思いますが、本講座を大きく振り返って見るのも決してムダにはなりません(新しい何かが見つかるかも‥)
 (色彩学の基本)に大きな(変革を導入した)のですから、今後の利用・応用といっても(到底筆者の手には負えません)。皆さんの手で‥ぜひ開発をお願いする次第です。

(新色彩論)
従来の色彩学は、色そのものを(物質や光の現象)に求めました。三原色に拘り減法混色・色相環へ‥→と混迷を深めてきました。
 これまでの定石(旧色彩学)に囚われないで、目前の現象を(素直に採り上げ)整理し・理論を解明し・正しい応用を組み上げてきた)ものです。(色の成り立ちから→名付け、色の配分‥まで」夫々の場で説明をしてきました)。
 今回の検討は、目先の現象に留まらず、色彩の基本の改革(色彩学の革命)を迫るものです。

(三次元の色空間)
 従来の色彩学で、色の世界は「二次元空間(円と白黒軸の2つ)」で展開されてきました。
 これらは(赤青緑)の三原色に基づく理論展開でしたが、CMYKの導入などにより体系が崩れ、その後世界的な戦争や工業化の嵐の中で、支離滅裂にされたようです。
 戦争も終り早や半世紀(この間、一般技術は個人コンピュータに進んだのに)色彩の混乱はかえって深まる有様です。

(三原色の誤り)
 最近の医(解剖)学方面からの知見が多く寄せられ「色は網膜の色素細胞(錐体(3)桿体(1)から寄せられる情報を頭脳が色を判別し画像を組み上げる‥」が明らかにされてきました。
 この新しい流れによる「新色彩論の展開」が望まれますが、本質論議は進まずに、色彩の心理・応用に逃げたものが多いようです。
 これまでの色彩学は(三原色に拘り白黒の議論を避けてきた)ようです、身勝手から真実や新開拓は生まれません。これからは(旧来の悪弊を捨て)新しい道を開いてくれることを期待します。

(色立方体)
 「私のアプローチが正しい」とは言いません(が思っている)。より良いものなら大歓迎です。
 まづ「新色彩の基本」を「色は目の視細胞と頭脳コンピュータの働きで作られる」ことを第一の基本に置きます。それから「三つの錐体信号・三原色(に見える)色感覚や諸現象が存在する」事実に充分配意し、これらを受容できる領域・空間として「3次元直交座標配置の色立方体」を考えます。
 この立方体は、既に(RGBデータ)として存在していたので、実際のデータ解析を進める中で、「立体模型」の製作や「座標変換」を思いつき、更に新たな解析へと広がったものです。

(座標変換)
 新色立方体が(RGBデータ)との違いは、座標基点を立方体の中心へ移動したことです。これによって、1象限に制限された(余りにもいびつな形)色方向が、立体放射型の全方向に広がりました。 
 座標変換は、新座標への移動手段に過ぎませんが、新座標の効果は「目を見張る絶大なもの」でした。
 新しい色彩学は、次元が上がって、実にスッキリと判り易くなっています(計算も殆ど暗算でOK)

(変換公式)(参照、4月21日)
 光座標(R・G・B)から色座標へ、 R’=(R−128)/128
                  G’=(G−128)/128
                  B’=(B−128)/128
 色座標(R'G'B')から色座標へ  R=(R’*128)+128
                  G=(G’*128)+128
                  B=(B’*128)+128
計算では(−)の値はそのまま(−R、−G、−B),利用時には→(C,M,Y,に)

 では明日から一応順を追って新色彩の「具体的な利用面の簡単な説明」をすることにします。