色の質感 


 色の質感

 これまで、色の現象(見え方)とその元の(光の物理)を追ってきました。
 目が捉えた光は色々の情報処理(検出・波長帯域分解・情報比較・伝達。保存)が行われ、最終的に(色)情報に組み直されて見ています。
 この処理課程を通じて、従来の三原色(三種の単一色光・減法混色と色材)の誤り→色の三要素(色相・彩度・明度)は不十分で、何か重要な要素の欠落があるように思われます。

(周波数分布)
 色が見えるのは、色に対応する光があるからです、光が通過しただけでは色は見えません。物に当たって反射(透過も)して,目に入って始めて「色」として見ることが出来ます。
 太陽光や電灯は可視光全帯域の光があるため全ての色を見ることが出来ます。
 近年創り出された人工光は(特異な光分布で、一般光とは大きく違います)。
(左図は、太陽光と白熱電灯のエネルギー分布ですが、二者の演色性をそのまま表しています。)
(左下図は、(本当の黄色とシアン色)なら、右図のようなパルス状になる筈が、(赤・緑)と(緑・青)色の合成であることを示しています(参照、3月16)。

(演色性)
 人工光源に含まれるピークスペクトル(単一周波数成分)が、個々にどのような見え方をするのか?,そして連続型の見え方と併置できるのか‥、など、明らかにされていません。
1、可視光全域の「帯域分布(中心周波数・分散など)を見る演色性」と、
2、「ピークパルス型の色検知(たとえば―周波数指定とエネルギー配分比など‥)」
 現時点で(同一演色性)で扱うのは、些かムリな感じがします。

(色の質感)
 日常的な色の取扱いでも、現在の(色の三要素では表せない)色感覚に出会うことがよくあります。
1、これまでも話題にした「蛍光色」
2、透過光・散乱光の「透過度」・「拡散度」
3、漆塗りなどの「透明感」・「色の深み・奥行き」
4、金属面・塗装面、その他木材・布地・焼き物‥etcの材質感
 
 筆者はこれらを纏めて、質感に関わる(色の新たな要素)がある筈と考えています。(←今回の倍調波論を当て嵌め、整合を探っているのです)