緑の地平線 

緑の地平線
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 むかし「緑の地平線」という歌(小説も?)がありました。 青い空・緑の海・山‥歌も出そうな美しい自然の中に住み慣れて、自分達の世界が「緑色」であることを忘れています。

1、太陽光のスペクトル観測(掲載図)によると、可視光線の範囲(波長0.4〜0.8μm)は、輻射の強い範囲が選ばれていることが分ります。
2、危険な紫外線領域も、上層の空気層で吸収され地表には届きません。
3、空が青いのは、「短波長の光が上空で散乱・反射されて散らばっているから」と説明されます。
4、宇宙飛行士は「地球は青かった」といいます。衛星からの地球の写真も青色です。

 我々は地球大気の海の底の生物ですから、太陽光から紫外線や青色を除いた光を受取っています。(スペクトル図もそのようになっています)。「私たちの世界は緑色」の筈です。

 そういえば、全地球(北極・南極を除いて)を覆う植物はみんな太陽光のエネルギーを、葉緑素を使って吸収して成長します。(緑光はエネルギーが高く量が多い)
 地表近くで緑の光も、水中に入れば屈折や吸収を受けます。海を数メートルも潜れば、殆ど色の無い世界になってしまいます。 
 赤い光は海中に散らばった筈ですが、潜って水が赤く見えることはありません。
 しかし良く観察すると(表面魚の背中は黒いが)殆どの水中生物は赤い色をしています。(さらに深海では決まった色を持ちません)。

 緑の地平線は確かのようですが、なぜ「辺りが緑に見えない」のでしょうか?
(本講で説明しますが)人の目には、周りの光のバランスが少々崩れても、それを補正する能力(補色)があるのです(カメラではホワイトバランス)。(物理的な光だけでなく記憶や判断、嗜好なども影響するようです)。

 本当に、人の目は旨く出来ている「自然は偉大な創造主」。 ←私は子供時代からトコトン無神論者ですが自然教?‥矛盾かナ?‥ hi)