RGBデータの座標変換



 先週は、全色の範囲とその色名などについて説明をしました。 座標の色名を奇異に感じた人も、慣れれば(色混合での)便利さが実感出来るハズです。(今日の図面は9月27日のモノです)。

(RGB座標)
 現在一般的に利用されている色表示法(マンセルやオストワルトPCCS)色環方式はどれも、感覚的な(見積もりの色並び)で正確な色扱い法はありません。
 現在、数理的な色扱いは、(スキャナーデータのRGB方式)があるだけ(※)です。
 この方式は(9.22)に説明したように、黒位置を基点に「色」を3軸(RGBデータ)←(方向ベクトル)で表すものです。
 ベクトルは(方向と長さ)のことなので、仮に基点が移動しても、色の(ベクトル)は変りません。
 ※ ←(CMYKデータは、RGB方式を(印刷)業界向けに崩したモノです)

(座標変換)
 現在私達が入手出来る色データは、前述のスキャナによる(RGBデータ)しか有りません。 そこで色立方体方式でも、この(RGBデータを)使用出来るようにしましょう。
 RGBデータの色範囲は、直交座標の第1象限(すべて正値(+))に偏っています・・。  私達の「色立方体方式」は座標軸の交点の周りを取り巻いた位置で・・、(外目で見た形・色の並び方は、RGB方式と同じように見えますが・・違います)。
 そこで、RGB系のデータ全体の(位置を移動して)、YKカラーの色立方体(座標表示に変換)するコトにします。

(RGBデータを色座標値に)
 RGB方式の全データについて、基点の位置を移動し、目盛り値を変更します。
   旧RGB座標の軸は(R、G、B)、 目盛り数値は(0〜255) 
   新しい方式の軸は(R’、G’、B’)、目盛りは(1.0〜0〜-1.0)
                    例えば(赤色)の場合 数字は、256で扱います
   R’=(R−128)/128    R’=(255−128)/128=1.0 ←(L)
   G’=(G−128)/128    G’=(0−128)/128=0    ←(M)
   B’=(B−128)/128    B’=(0−128)/128=0    ←(S)
    以上 ・・ 第(1)式      色は(LMS.1.0.0)です

※ 現行データは(RGB方式だけ)なので、(1)式の利用が多いと思います。 計算で負値(ー)が出ますが、そのまま計算して、最後に表示色名(文字)に変更して下さい。
 (−R)→C→(−L)。(−G)→M→(−P)。(−B)→Y→(−S)

(色座標値をRGBデータに)
 新方式の全データについて、目盛り値を拡大し、基点の位置を移動します。
   新しい方式の軸は(R’、G’、B’)、目盛りは(1.0〜0〜-1.0)
   旧RGB座標の軸は(R、G、B)、 目盛り数値は(0〜255) 

   R=(R’*128)+128            
   G=(G’*128)+128
   B=(B’*128)+128 ・・・ 第(2)式

(座標変換は数値の計算)
 上記の(座標変換は、物体座標の(読み取り方法や基点を移動する)など・・、(座標目盛の値)に対するて行う「数値操作」であって、(どんなに見掛けの数値が変化しても)対象物が変化するのではありません。
 前項の変換(1式)は、RGB方式で座標基点を移動させたときの、新座標値を求める計算式で、対象物体を何等変更するモノではありません。 ←(基点移動に伴う座標値移動計算)のことで、次項の(物性の変換)と間違えないで下さい。

(物性の変換)
 混色の説明で、例として、テレビ画面(加法)とマーカー色の塗り重ね(減法)がありました。 混色は、色と色が混じり合うことで、図柄を拡大すると、点状に元の色が混り合って見えます。 しかし、マーカーの混色では、総ての色料が黒く変色して、元の色は全く見当たりません。つまり、この場合は、混合ではナク(色料の変質、元の色には戻せません)だったのデス。
 このように、物質本体や(物の性質や構成など)が変わる場合の(物の内容の変換)を( Convert)と言います。 ←(単純な物の移動は Move、全体的な纏まった移動は Shiftです)

(色座標の変換)
 RGB方式は、黒を基点とした光の強度を(直交3軸方向に採って)、色を(ベクトルで表示)したものです。一方の(色立方体の色)は、(無色の)立体中心から立体放射状に拡がったものです。
 だから、両立体の構成・内容は全く違ったモノですが、・・(外の見掛けは、全く同じ色配置になので、(RGB座標系の表示)を(色座標の位置に変更する)ための計算を行うものです。
 ←(座標計算で単に数値を変更しただけでは、意味が有りません。座標の基点や色の構成方法などを正しく規定してから(数値を)利用するものです。
 ≪ RGB→本方式への変換では、 両者の根本的な違いを理解して、変換結果などを絶対に混同しないよう注意してください ≫
 ← (特許庁は、筆者の色彩特許の裁判で、ここを(理解出来ず)間違えました(故意か?)。 速やかに訂正しないと(世界中に恥さらし)で、恰好が悪いデス)