07、色の3属性?

 ≪ 色々の話が出て、少しヤヤコシクなったので、大切な色を構成する要素について、概観的に整理して置きます ≫

 色の3属性

 旧色彩では、「色には、色相、明度、彩度という3つの属性がある・・」と説明されます。 「属性」とは何とも奇妙な(歯切れの悪い)言葉です・、何故「色の基本(配置や特性)」と言えないのでしょうか?・・

(色相)
 色相は見た目の色の違いで、まさに私達が日常見分けている(色の違い)のことです。 旧色彩は三原色を基本としたので、(白〜黒)を(明暗と混同し)、(事実上)色として扱わないできました。

(明度)
 旧色彩は(明暗=白黒)と思っていたので、色の明るさは(白ー黒)の混合度合による、と考えました。 しかし(6色円板では、同一白黒度と矛盾)した扱いで、要は 「色の明るさ(色明度)が分からなかった」と言うコトです。

(彩度)
 旧色彩の「彩度」は、立体色相環で、「自身の色(位置)から、白黒軸で(自分と等しい明度(高さ)の点)を結んだ直線の(水平)距離」と言うコトで、色によって(起点)が異なる(位置が定まらない)、奇妙な基点です。
 
 以上が、旧色彩の言う3属性ですが、全手が間違っていました。新色彩とどう違うのか?・・概略説明をします。

(色相)
 旧色彩の、(立体)色相環では(第2図)のように、3属性が示されています。 6原色では夫々明るさが異なるので、同一の円板には並ばないハズです。
 新色彩の色相は、(白・黒)を含めた8原色が、正6面体(立方体の頂点に配置され、この8原色が、立体(色空間)内部で相互に均等に混じり合ったようになっています。

(明度)
 明度とは、一般的には明るさのことで、人の目が見た明るさの程度(光源や光の明るさなら、照度や輝度)です。 
 色明度は、4種類の色諧調(黒ー白、赤ー空、緑ー茜、青ー黄)があるので、夫々の明るさの程度のことです。

(彩度)
 彩度は、本来色の鮮やかさのことですが(旧色彩の誤用が拡がっているので)、新色彩では区別するため「色彩度」を使用しています。
 立方体の中心を(色の基点)とし、ここから色が(四方8方)へ立体放射状に拡がっています。 色彩度は色面に従った変化とするので、色立方体は同芯の等彩度立方体の集まり(積層)と考えます。

(無色)
 無色は、「水」が絵の具の色を薄めるように(透明)で色を持たず、塗るほど(既存の色が消える)、これまでにナイ新しい色感覚の色です。 
← 旧色彩では、光や色料などの物理量を(0)とした場合を、黒色で(無色)と考えましたが、新色彩では物理量は変わらず、色や光量が(無いではナク、むしろ全色の混合を)無色とするのです。

(色素感)
 旧色彩では、色の原因を(三原色素)と考え、色素量の多少で色が変わるとして、加減法混色などでは、混合色の色合いが、色(光)の明るさを変える・・と思ったようです。

(光物理と色感覚) 光は物理現象ですが、色は頭脳(心理)の働きで見えるモノなので、光の色と(心で感じる色)は違って居ます。
 光の色は、RGB方式(象限限定の放射型)ですが、私達の色感覚は、色立方体で(立体放射型に広く拡散する)方式です。 この両者の橋渡し(変換)の原理が「色の立方体」であり、頭脳コンピュータが実行したのです

(色彩感覚)
 これまでの話は、色を感じるための材料(色材料や、光の強度など)物理的な要素を追及してきましたが、最終的には、人の感覚(センサー感度との調和)が色を決定しています。 人の「色の感じ方」については、さらに、この後にお話をします。