光と明るさ

 

 光と明るさ
(視覚の働き)
 旧三原色では、「色(素)がそこにあるから見えた」と言うだけで、なぜ色や形が見え、色の種別が出来るのか・・などについて、何の説明もありません。
 私達の目が、どのように、光を捉え、画像を構成してきたのか?など・・(画像認識の原理)を知って貰うため「白黒レーダーで説明(実際はもう少し複雑ですが)をしてきました。 

(視覚の基本)
 現在の色彩学は「光があってこそ物が見える」として、(赤緑青)の三原色光(説)が(基本)となり(ほぼ常識化)しています。 しかしこの(三原色の誤り)が(現色彩を混乱に導いた根源)だったことは、これまで示してきた通りです。
 私達は、何気なく(経験的に)色や明暗、物の形などを見分けていますが・・、私達の視覚が実際に、どのような働き方をしているのか?・・、 いま一度見直す(7月22日頃に触れた)ことにしましょう。

可視光線と波長範囲)
 ニュトン実験以来(色の原因は光)となり、その後(光は電磁波の1種)が明らかにされました。
 一般には電波と言うと(無線通信用の電波 ※1)を考えますが、これは(特定波長の特殊な)人工の波で、本来の自然の波とは異なります。
 ← 例えば「雷の雑音電波」ですが(無線通信の全波長域で世界中に拡がる)のように広帯域で強力です。 光は、それより遙かに短波長域(μm〜nmオーダー)のもので、広帯域です。

※1 電磁波の波長範囲は極めて広く、無線通信用途で、30キロメートル波〜ミリ・マイクロ波(ラジオ・テレビ・マイクロ波など)ですが、 自然のものではさらに広く、マイクロから〜赤外線へ、〜(可視光範囲 ※)〜紫外線〜放射線(X線・ガンマ線など)となっています。

※2 私達が見得る(可視光線の波長範囲)は、そのうちの一部で(380〜780nm)のごく狭い範囲に限られます。

(光の波長)

(明るさの範囲)
 私達は、簡単に「光が有れば明るく、無ければ暗い」と考えますが、明るい暗いの程度は、人の感覚(判定)なので、(可視光線範囲の光の強さ)のことですが、光の強さ=明るさではありません。
 私達が見得る明るさの範囲も、真昼の明るい太陽光から暗い闇夜の星明りまでと非常に範囲が広く(10の(ー)3乗〜10の6乗ルックスで(27Lv)に及びます。(1ルックスは1ワット電球が1メートルの明るさです)

(明暗範囲と副尺方式)
 上記にように、昼夜の明るさ範囲は、非常に広いのですが、人の目が同時に見得る光範囲は狭く(100倍、数Lv程度)の範囲に限られます。
 そこで目の観察範囲を(副尺方式)として、 その時の光レベルに合わせて観測範囲を上下させることで、広範囲の明るさを精密に扱うことが出来るようになります。
 →(カメラの明るさ調節は、AやS(絞り・シャッター優先)で決められるが、副尺の範囲は(−3〜0〜+3Lv)になっています)。

(明るさ変化は対数比)
 明るさや色の違いは(人の感覚(刺激の強さ)なので、光の強度とは比例をしない(強くなってもそれほど感じない)、一定の範囲内では、倍々形の比率感度で感じられます(フェヒナーの法則)。
そこで、人の感度(刺激値)では、光強度などを(倍々比率の指数値(Lv値)で表されます。
  前項の(光の明るさ、広範囲な強度れべる)を扱うために、(Lv型の副尺方式)が採用された、と考えらえます。