自然光と色 


 自然光と色
  私達のこれ迄の話は、「何故色が見えるの?・・ 色がどんなに見えるか・・?、といった(色の原理)に集中して・・ 、光が色になる課程や、色彩を作り・利用する・・ といった面は、殆ど手付がずできました。
 光がどのような過程(原理や法則)に従って、「色」になって行くのか・・ (光物理の面から)少し探って見ましょう。
 (色彩科学の始まり)
 (太陽光をプリズムで分解して色の並びを見せた) 「ニュートン分光実験(1966)」が、「近代色彩科学の始まり」 といわれています。
 白紙に映し出されたスペクトルを見ると・・ 、(赤・緑・青)の三色が(三原色)に対応している(ように見えます)。  しかし、いきなり (3帯域→3色光→三原色) と決め付けるから・・ 問題が起きます。
 どこに問題があるのでしょう?・・ 今一度、光が出てから〜色になるまでの過程を、見直して見ましょう。
 (光の発生と色温度
 光は{電磁波}と呼ばれる放射エネルギーの一種ですが・・ その波長域は(0.4〜0.8μm)で、無線通信などに使用される(電波、km〜mm)とは、かなり様子が違っています。
 私達の目は、自然光(太陽光)の下で発達してきた(※)ので、電波の質としては、連続の波長分布域を持つものです。
 太陽光など(熱擾乱)で発生する電磁波は(色温度と呼ばれる)独特の波長分布の形ををしています。
 (可視光線範囲の光分布)
 可視光線の範囲は、波長分布から見ると(ごく一部なので(帯域分布の形は見えず)色温度変化は、「分布域の傾斜の一部」にしか見えません。
 従って、特殊なセンサー機構を準備して、(近赤外域も含めた)帯域感度の検知機構が作られました。
 (光の拡散と減衰)
 球の表面積は、{S=4πr2乗}なので、光の強さ(A)は、距離に反比例(A/r)して、弱くなります。
 これは、空間的な拡散なので「距離減衰」と呼ばれ、ほぼ絶対的なもので、建物や運動場など一般の照明は、すべてこの距離原則に従います。 → (灯台や自動車ライトなどは、特別な焦点調節で、光の拡散を防いでいる)
 しかし太陽光の場合のように、光源の距離が遥かに遠い場合、{A=1/(D+ΔD)}ですが、ΔDによる変化は無視され、少々移動をしても光の強さは変わらない、と見做されます。
 大阪城の照明は、近くでは強力な照明ですが・・、少し離れると(暗く)効果はありません。
 色でも同じように、近距離ではキレイですが・・ 、遠距離では(色彩度が下がり)色がぼやけるのです。
 (太陽光の色)
 太陽からの光の色温度はほぼ6千度とされています。 距離は(1億5千万キロ)もありますが、途中は真空なので色の変化はありません。
 太陽光が地球に到達し、空気層に進入するとき、空中のチリや分子の影響(吸収・散乱)で弱まります。 特に短波長側側が顕著で (空が青い)、地表付近では、(555nm、緑色光)が中心の光分布です。
 (光源の色と順応性)
 太陽を光源としてみた場合(雨天などの天候変化)や朝〜昼〜夕の(光強度・色の変化)もあり・・ 一定した光源ではありません。
 目には、空気の色・光源光の色変化を打消す機能(色順応)がありますが、特に分布が多い光源の色を、背景色として打消して、全色を安定し目立たせたのです。