空中の散乱

 散乱(青空)

(1)光の進路変更
 光は電磁波なので、真空では光速(30万km/秒)で直進します。太陽からの光が地球に来たときまず上空のごく薄い空気層に入ってきます。
 空気の分子の数は非常に少ないですが、たまたま分子に衝突する光(の粒)が出てきます。
 光にとって分子の構造は、電磁気的な格子(ジャングルジムのよう)に見えます。 格子の目は規則的ですが、複雑で(目の荒さや方向など・・)特別な条件に適合したものだけが通り抜けることができます。
衝突は偶発的で、光の進路は一定せず、全体的には全方向に(散乱)することになります。
 つまり、光が物質の分子構造に入り込むと、電磁気的な影響を受け、多くは物質内部を迷走するうちにエネルギーを吸収され(消滅)します。
 中には、(特定の波長)や進路を持っていたため、旨く格子を通り抜けて分子外へ脱出する(進路変更)者もあります。 このとき、光は分子内部で(迂回路)時間がかり(速度が遅く)なります。

(2)(空中の散乱)
 太陽からの光は、真空中を進んできて、地球の大気に遭遇します。上空の大気は薄く分子密度も小さいので、多くのものは、そのまま空気層に侵入してきますが、一部のものが空気中の分子に衝突して進路を変更されます。 残った光も、更に奥(下層)へ進んで、同様に空気分子に衝突を・・繰り返します。奥へ進む程に、分子との衝突回数も多くなり(散乱・減衰)も大きくなります。

レイリー散乱
 このような微小な分子などとの衝突は(レイリー散乱)と呼ばれています。波長の短い(青い)光ほど顕著(周波数の4乗)なようで、空が青いのはこのためです。

(空の色、透過光)
 散乱光は、一定の光源が定まらない(全方向からの)ボンヤリした光です(青空)。空気分子の散乱(繰り返し)を経た透過光です。

(雲、白色)
 地表近くでは、微小な水滴や塵が多くなり、空の青色光と、雲で散乱した(緑・赤)の光とで(空色や白色)に見えるようになります

(夕焼け) 夕陽では、太陽光の侵入角度が低くなります。赤色光の屈折が小さいため地表への到達が最後まで残ったもので、
 地表近くの低空層にある、雲の氷層や水滴に、赤色光が当ったためです。